その昔に訪れた、あの土地この街……同じ場所へ再び赴いて、近くにやってきた路線バスの写真を撮り、過去の写真と見比べてみると、バスの型にどれくらいの違いが出るのか、2007年と2024年で対比!!
文・写真:中山修一
(2007 vs. 2024バス対比の写真付き記事はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください)
■柏崎駅前でバス新旧観察
今回訪れたのは新潟県の柏崎駅前バスターミナルとその周辺。対比に使う旧いほうの写真は、2024年6月から遡ることちょうど17年前の、2007年6月に撮ったものだ。
2007年頃の柏崎といえば、駅から歩いて行ける距離にある公園に、自衛隊で使用していたヘリコプター(UH-1H)と、蒸気機関車の「デゴイチ」と見せかけて、形式名のD51とシリアル番号の間に謎のハイフンが入っている、サハリン輸出仕様車の1号機がまだ展示してあった、今やスッカリ懐かしい時代だ。
駅前バスターミナルの全体的な様子は2007年も2024年も、それほど大きく変わっていない印象ながら、バス関係では2007年時点でターミナルにあったバスの案内所が、現在は取り壊されて、なくなっている。そういえばイトーヨーカドーも閉店しちゃったなぁ……。
■2007年当時のバス車両ラインナップ
では、2007年に撮った写真に写っている、路線バス車両がどのタイプだったか、3台をピックアップして振り返ってみよう。
1台目は東急バスによく似たカラーに塗られた、越後柏崎観光バスの大型路線車。往年の2ケタナンバーを取り付けた日野ブルーリボン(長岡22か922)だ。資料が見つからず詳細がちょっと分からないものの、1990年代の前半に製造された車両と見られる。
続いて登場するのは、黒色のライトケースに収まった丸目4灯ライトが顔つきを際立てる、同じく越後柏崎観光バスの日野ブルーリボン(長岡200か226)で、こちらは1990年式。現地の生え抜きではなく、東急バスからの移籍車両にあたる。
3台目もまた越後柏崎観光バスの大型路線車。もうサスガに姿を見かけなくなった「MP218」と呼ばれる、丸目4灯の三菱ふそうエアロスター(長岡200か310)。1990年頃、東急バスに新車で導入されたものが、東急バスでの引退後に柏崎まで渡ってきたらしい。
■昔あのクルマは居なかった! 2024年の柏崎駅前バス事情
続いては、2024年現在の柏崎駅前にやってきた路線バスの面々。越後柏崎観光バスは2012年に「北越後観光バス」へとブランド名を変更後、2017年に越後交通と合併したため、現在は存在しないバス事業者になっている。
写真を見比べて、2007年時点とは明らかに世代が変わったと実感させるビジュアルを持った車両の筆頭格といえば、日野ポンチョかもしれない。
駅前バスターミナルにちょうど入ってきた所を捉えたのは、循環バスに使用されている、2011〜17年に製造されたタイプのポンチョ(長岡200か756)だった。
2台目に注目したのは、縦に2個ずつ並べた角目4灯ライトを持つ、中型路線車のいすゞエルガミオ(長岡200か800)。
「イマドキのバス」といった風貌を持つが、実は年式で言うと2002年式であり、製造から22年経つ結構古いクルマだったりする。元東急で、越後交通には2015年頃に来た模様。
■ある共通点が見えてきた!?
3台目は角目4灯のいすゞエルガ(長岡200か1024)。元々は横浜市営バスが2003年に導入した路線車だったようで、廃車後の2018年頃に越後交通に再就職して、今日も活躍を続けている。
以前、元・都営バスだった車両が地方都市で活躍している話を別の記事で紹介したが、4台目はそんな都営な大型路線車。角目2灯を持つ2005年式の日野ブルーリボンII(長岡200か1108)で、越後交通には2021年にやってきた、彼の地では割と新しめの車両と言える。
もうちょい旧年式の車両来ないかな? と思ってバスターミナル前で暫く待っていると、思惑通りに来てくれた。今や目を引くネオレトロ人気車種・いすゞキュービック(長岡200か607)の登場だ。1998年に東急バスが新車で導入、2010年に除籍して越後の国へとやって来た経歴の持ち主。
柏崎駅前バスターミナルに現れた、新旧全部で8種類の路線バス。よくよく見てみれば、2007年の時点で、日野ポンチョを除いた現在のバス車両が既に全て存在していた、という共通点が浮かび上がった。
17年前に柏崎でバスを撮っていた頃、2024年に柏崎とその周辺で活躍を続けているバス車両は大都会にいた……なんとも感慨深い歴史の一コマだ。
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