雨と暑さで愛車には負担のかかる季節。さらに長距離ドライブの多いシーズンでもある。そこで昨2023年のこの時期に掲載された連載「Weeklyメンテナンス」から人気記事を再掲する。
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気温がぐんぐん上がり、雨はバンバン降る。高温多湿な日本の夏がやってきた。クルマもできることなら対策を施して、快適なドライブライフを送ろう。
梅雨が日本中に雨を降らし湿度でジメジメする日々。ここから徐々に晴れが増えていくと一気に気温が上がり、蒸し暑い日本の夏がやってくる。今年も長期予報では暑い夏が長く続くらしい。そんな不快な季節にはクルマの中は快適に保ちたいもの。そこで夏に向けてできるメンテナンスとチューニングで快適性をアップさせたい。
◆夏に向けての対策1:エアコンフィルター
まずはエアコン。効きがいまいちだったり、普通だと思っている効きが普通ではないこともある。まずはエアコンフィルターの交換から。数年交換した覚えがないというなら点検ではなく、即交換がオススメ。純正品でも同等品でも数千円で購入可能。
国産車の場合、多くは助手席のグローブボックス奥にフィルターがあり、簡単に交換することができる。どうせならちょっと高めの活性炭入りフィルターにすると驚くほど匂いがなくなることもあるのオススメ。このフィルターにホコリやペットの毛、内装の繊維などが詰まってエアコンの風量が落ちていることがある。エアコンフィルターを変えるだけでも涼しさアップに効果的なのだ。
◆夏に向けての対策2:エアコンガス
基本的にエアコンガスは抜けないものなのだが、抜けて効きが弱くなるということはどこかから漏れているということなので、それはそもそも修理をしたほうが良い。でも、とりあえずひと夏を乗り越えるにガスを足す手もある。ただこれは規定量があり、入れすぎても少なくてもコンプレッサーは異常を感知して止まってしまう。きちんとプロショップで規定量を調べてガスを足すことが大切。DIYでガスを入れすぎてコンプレッサーが止まってしまった、ということも多いのだ。
実は新車でも規定量にピッタリとガスが入っているわけではない。ある程度ブレているが、なんとかギリギリの量しか入っていないクルマもある。新車でもガスの点検をして規定量に合わせることでエアコンの効きは良くなるし、それによって負担が減るので燃費も良くなることがあるとプロショップでは新車のエアコンチェックをオススメしているところもあるのだ。
エアコンの効きがアップする添加剤も多数売られている。これについては賛否あり。エアコンメーカーやエアコン用純正オイルメーカーによると「どんなものだかわからないものは混ぜないで欲しい」という。エアコン添加剤メーカー側は抵抗が減り、効きが良くなることを検証して開発しているという。良いとも悪いとも言えないところだが、基本的に漏れたりしていなく、ガスも規定量であればある程度の涼しさは得られるはず。それ以上を求めて添加剤などを入れるのであれば、自己判断せずプロショップにて実績ある商品をチョイスしてもらいたい。
◆夏に向けての対策3:冷却対策
暑い夏はやはり水温や油温は上がりやすい。夏だからといってオイルクーラーを取り付けなければならないほど油温が上がるわけではないが、低粘度オイルが指定のクルマだったら、ちょっと早めに真夏の前に交換してもいいだろう。超低粘度なオイルだと距離を重ねて劣化していくとエンジン内部がダメージを受けやすい。負荷が大きくなる前に早めに交換しておきたい。
水温対策はクーラントをスポーツクーラントにすることで、放熱のスピードが速くなるので対策になるがそれが必須ではない。それよりも15年以上経過しているクルマなら、クーラント交換と同時に水路をよく洗浄してもらい、溜まったスラッジなどを流してやるだけで冷却効率を高めることができる。
さらにこれは夏だけの話ではないがラジエーターキャップも定期的に交換したい。ラジエーターキャップはスプリングが入っていて、これが弁をラジエーターに押し付けることで加圧している。それによって水の沸点を高めて100度以上になるようにしている。
ところがスプリングがヘタって来るときちんと規定通りの圧が掛からず、沸点が下がってきてしまう。そうなると水路で沸騰してしまって効率よく冷やせなくなってしまう。エンジン内の水路にも負荷がかかり、ダメージを及ぼすこともある。数千円で購入できるので純正品を車検ごとくらいで交換してもいいだろう。
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