記録的な高温が続く昨今、炎天下に駐車したクルマの車内はかなりの高温になるため、すぐには走り出せない状況だ。そこで少しでも温度上昇を抑えるためシェードなどの活用を実施してみよう。
◆想像以上に効果があり夏の強い味方になるサンシェード
年々夏の気温が高まっているのを多くのドライバーも感じているだろう。特に炎天下の駐車場にクルマを停めておき、次にドアを開けたときのムッと熱気が吹き出す車内の温度の高さには辟易する。その時の車内温度は気温を超えている場合も多いので、すぐさま乗車して運転をはじめることはできそうにない。体調にも大きく影響する高温なので、自分でできる車内温度上昇の対策を施して、少しでも快適に夏ドライブを乗り切りたいところだ。
そこで注目したのはすっかりポピュラーになっているサンシェードだ。クルマは直射日光にさらされるとボディ全体が熱せられるのだが、中でもガラスを通過して車内に差し込む日差しは車内温度を上げてしまう大きな原因になっている。しかもリアまわりにはプライバシーガラスが用いられていることも多く比較的日差しは遮られているのだが、フロントまわりのガラスはクリアなのでガンガン直射日光が注がれる状態にある。
そこでもっとも手軽で効果的な対策がサンシェードだ。サンシェードは基本的にはフロントウインドウにセットできる簡易的な構造で折りたたんでコンパクトに収納できるので常に車両に積みっぱなしにしておくのが良いだろう。反射材などを備えた機能的なシェードもあるので、少しでも効果を求めるなら直射日光を車内に入り込ませない機能的なモデルを選ぶのが良いだろう。駐車する際には折りたたみ式の手軽なサンシェードをフロントガラスにセットするだけで、車内の温度上昇はある程度抑えられので今すぐ実践してみよう。
ここでサンシェードがどの程度効果があるかの裏付けとなるデータがある。少し古いテストにはなるのだがJAFが2012年に実施したテストでは、気温=35度の条件でサンシェードの有無で温度変化を比較している。その結果、対策無しの車両(白ボディ)では52度(黒いボディのクルマは57度)になっているのに対してサンシェード(白ボディ)を用いると50度と若干車内温度の上昇が抑えられていることがわかる。わずかの差だが、次に乗り出した際に車内を冷やすスピードには確実に影響があるので、サンシェードによる対策にに置ける効果を感じさせるテスト結果となった。
一方、車内温度の上昇を抑えるのには駐車場所の選択もかなり重要だ。ボディが直射日光にさらされることで車内の温度はどんどん上昇するので、当然と言えば当然なのだが少しでも日陰を選んで駐車することも心がけると良いだろう。JAFでは日なたと日陰に駐車した際の車内温度に関するテストも実施(2016年)していたので参考にしてみた。外気温度32.1~32.8度でテストを実施、日なたに駐車したクルマ(エアコンで車内温度27度にした状態でテスト開始)。すると20分で日なたに駐車したクルマは40度を超えたが、日陰に駐車したクルマの車内温度は34度程度に止まっていた。理屈では理解していても実際の数値を見るとリアルで、日陰にクルマを停めることで車内温度の上昇は大きく抑えられることがわかる。木の下などは樹液や落ち葉などを嫌って駐車を避けるドライバーもいるが、環境が許すならなるべく日陰のエリアを選んで駐車したい。
◆サンシェード以外にも車内温度上昇を抑えるアイテムがある
また車中泊や車内で仮眠を取る際に便利に使えるのがカーテンやスクリーンだ。リアまわりのウインドウに取り付けるカーテンなどが用意されているので、これらを用いるとパーキングなどで仮眠する際に車外からの視線が遮れるのと同時に日差しを遮ることもできるのでエアコンの効率もアップするので要注目の装備だ。
炎天下の駐車で車内温度の上昇を少しでも抑える自衛策を実施することで、記録的な猛暑が続く盛夏の今、少しでも快適性をアップできることがわかった。車内温度上昇を抑える工夫を施して過酷な夏ドライブを乗り切ろう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
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