ようやく暑さがひと段落した昨今ですが、同時に日が落ちるのが早くなってきました。また、太陽が低い位置にあることから、これからの季節は西日が特にまぶしい時間が長くなる季節でもあります。
いったん眩惑されてしまうと、視力が回復するために時間がかかるため、運転中に一瞬視界が奪われてしまうという非常に危険な状態になります。眩惑しやすい季節に覚えておきたい、運転中の眩惑を避ける方法をご紹介します。
文:吉川賢一/アイキャッチ画像:写真AC_いっぷほっぷ/写真:Adobe Stock、写真AC、JAF
秋冬の薄暮時は死亡事故が多くなる
一日のうちで、もっとも交通事故が起こりやすい時間帯である夕方。警察庁は日の入り前後1時間を「薄暮時」とよんでいますが、この薄暮時の事故は、10月から12月がもっとも死亡事故が多くなる傾向があるそうで、特にこの季節は薄暮時に注意が必要であることがわかります。
薄暮時に注意したいこととしては、昼間よりも視界が悪くなるために、ヘッドライトの早めの点灯によって、自車の存在を周囲に知らせるということもありますが、西日による眩惑にも注意が必要。とくに秋冬は空気が乾燥していることで太陽光の透過率が高まるほか、まぶしく感じる時間が夏よりも長くなるため、注意が必要です。
西日が差していると、歩行者も対向車も見えなくなる
西日による眩惑がドライバーに与える影響については、JAFがユーザーテストを実施しています。その結果によると、西日が当たらない状態では確認できた周囲の歩行者や対向車が、西日が当たる状況ではほとんどみえず、信号も何色が点灯しているか判断ができなくなったそう。この状況は、多くのドライバーが体験しているのではないでしょうか。
JAFの実験では、サンバイザーを使用することで、歩行者も対向車も確認できたとしていますが、サンバイザーを使ってしまうと信号が見えなくなることもありますし、状況によってはサンバイザーだけでは西日を遮れないこともあります。JAFによると、それまではまぶしくなかったのに、交差点で曲がったタイミングで強烈な西日に襲われて視界を奪われ、これが原因で追突事故に至ってしまったケースが実際にあるそう。西日を予測してサンバイザーを下げておくことができればよかったかもしれませんが、運転に集中していると、いつもそれができるかはわかりませんよね。
ドライバーを眩惑する、強烈な日差しを遮る方法は?(JAFユーザーテスト)
サンバイザーとサングラスの併用で乗り切ろう
そんな眩惑を避けるための方法としては、サンバイザーに加えて、やはりサングラスも用意したいところ。前出のJAFの実験によると、サングラスの可視光線透過率は75%だと効果は薄く、30%だと視線を向けるのが楽になり、15%だと眩しさを感じなくなったそう。ただ、可視光線透過率が低いと日陰やトンネルに入ったときに見えにくくなるため、注意が必要。西日だけでなく、路面などに反射する光もまぶしく感じるため、サンバイザーとの併用を考慮して偏光サングラスを用意するといいかもしれません。
昨今は、純正サンバイザーに取り付ける、透過素材でできた後付けサンバイザーも流通していますが、神奈川県警に問い合わせたところ、「明確な違反とはいえないけど、いいともいえない」とのこと。使用状況によっては危険となることも考えられるため、場合によっては(取り締まりの対象とまではならなくても)注意をすることも考えられる、とのことで、できる限り使用は控えたほうがいいのかもしれません。
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サングラスがない状況でも、とにかく光を直視しないようにすることで、眩惑は避けることができます。無意識に手で太陽を覆う動作をしている人も多いと思いますが、緊急時にはそれも有効でしょう。また右左折した先で眩惑しないよう、予測してサンバイザーを下ろす癖もつけられるといいかもしれませんね。
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