自動車保険の特約には、使っても等級が下がらず、保険料に影響を与えないものがあります。これらの特約は、特定の状況でのリスクをカバーするため、ぜひ積極的に利用したいものです。今回は、特におすすめの特約を3つ紹介します。
文:佐々木 亘/写真:AdobeStock(トップ画像=ELUTAS@AdobeStock)
■特約で基本契約はパワーアップする!
自動車保険の契約更新業務をしていると、お客様から寄せられるのは補償内容についての質問です。対して、特約について質問する方はほとんどいません。結果として、有用な特約を結ばずに、見逃しているケースが少なくないのです。
特約は、低コストで特定のリスクに対する補償を強化する便利なオプションであり、選び方次第で保険の価値を大きく高めることができます。にもかかわらず、多くのユーザーや保険代理店は、基本的な補償内容にばかり目を向け、特約を活用しきれていません。
特約の利用をおススメする最も大きな理由は、特約の利用が保険等級に影響を与えないためです。特約が基本契約の枠外での追加オプションになります。保険会社のリスク管理や契約者の利便性向上の観点から設計されているのです。
この仕組みによって、契約者は特約を安心して利用でき、保険全体の補償を手厚くしながら、保険料の大幅アップもおさえることができます。
記事リンク
前の記事自動車保険料が値上げ予定でますます迷う…損か得かどっち? ホントに必要? [車両保険]って加入すべき?
次の記事愛車が浸水しても一概に[全損]じゃないワケ 災害時の[自動車保険]が適用外になる場合って?
■自動車保険に付帯しておくと安心の特約はこの3つ!
ここからは、絶対に付けておくべき3つの特約を紹介していきます。
まず1つ目は、「無料代車特約(レンタカー特約)」です。これは、事故や故障で車を修理する際、代車を無料で提供してもらえる特約を指します。通常、代車をレンタルするにはかなりの費用がかかりますが、この特約を利用すればその負担を大幅に軽減できるのです。
代車特約は、突然の故障や事故の際、愛車の修理期間中に活躍します。利用しても次の更新時の保険料に影響はないので、手軽に追加できる特約です。
2つ目は、自分が過失のない事故(停車中に他車にぶつけられた場合など)で、相手が無保険車であったり、支払い能力が低かったりという理由から修理費用を出せない時、修理費用をカバーしてくれる、「車両無過失事故に関する特約」です。
相手が悪い事故なのに、こちらの特約を使うのは少々癪に障る話ですが、愛車が壊れたままよりはいいと考えましょう。
車両無過失特約では、事故の状況を報告後、過失割合がゼロであることが確認されれば、保険会社が修理費用を負担します。
車両保険に加入していることが利用できる条件となりますが、大きな事故や修理費用が高額になるケースに備えることができ、保険を使ってもノーカウント事故の扱いとなるため、コストパフォーマンスが高い特約と言えるでしょう。
記事リンク
前の記事自動車保険料が値上げ予定でますます迷う…損か得かどっち? ホントに必要? [車両保険]って加入すべき?
次の記事愛車が浸水しても一概に[全損]じゃないワケ 災害時の[自動車保険]が適用外になる場合って?
■もしもの時のツヨーイ味方「弁護士費用特約」
3つ目は、近年、増加傾向にある車に関するトラブルに対応してくれる「弁護士費用特約」です。これは、過失割合が争点となる場合や、相手が支払いを拒否する場合など示談が長期化する際に役立ちます。
この特約は、自動車事故だけでなく日常生活におけるトラブルにも有効です。例えば、乗車中の事故や歩行中に車にはねられるといった事故や、散歩中に勢いよく走ってきた人に衝突されてケガをした、他人の飼い犬にかまれてケガをしたといった、車が関与しない日常生活での事故も対象になります。
法的なトラブルが発生した際の安心感を得られるため、加入しておく価値が高い特約と言えるでしょう。
記事リンク
前の記事自動車保険料が値上げ予定でますます迷う…損か得かどっち? ホントに必要? [車両保険]って加入すべき?
次の記事愛車が浸水しても一概に[全損]じゃないワケ 災害時の[自動車保険]が適用外になる場合って?
■特約の年間保険料はわずか数百円~数千円
今回紹介した無料代車特約や車両無過失特約、弁護士費用特約は、自動車事故において役立つ場面が多い特約ですので、付帯を検討してみてください。これらの特約は、保険料の負担も比較的軽く、年間数百円から数千円で付帯できます。
紹介してきた特約は、あなたの自動車保険に付いていましたか。確実にYESと答えられない時には、契約している保険の内容を、今すぐに見直してみましょう。
記事リンク
前の記事自動車保険料が値上げ予定でますます迷う…損か得かどっち? ホントに必要? [車両保険]って加入すべき?
次の記事愛車が浸水しても一概に[全損]じゃないワケ 災害時の[自動車保険]が適用外になる場合って?
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。