淡路島・南あわじ市の観光施設「淡路ファームパーク イングランドの丘」で昨夏に生まれた雌のコアラの赤ちゃんの愛称が、「ナギ」に決まった。応募総数7848点から会社員、井上雄貴さん(29)=大阪府門真市=の案を採用。井上さんは「穏やかな子に育ってほしい」と語った。
ナギは昨年夏、母親「ウミ」と父親「ピーター」との間に誕生。今年1月下旬にはウミの腹部にある袋「育児嚢」から顔を出す姿が確認された。イングランドの丘によると、生育状況は順調で、現在は体長約30センチにまで成長している。
名付け親となり、「命名賞」を受賞した井上さんは2月下旬に友人らと施設を訪れて初めて募集を知り、愛称を考えた。「お母さんがウミで、写真でも穏やかな表情をしていたので、波のないような穏やかな子に育ってほしい」との思いを込めたという。
愛称のナギは漢字で書くと一般的には「凪」で、風がやんで海面が穏やかになった様子を表す。また「凪ぐ」は「優しく、心穏やかな様子」という意味も。それ以外に「和のイメージのある美しい名前」といった点が評価されての採用だった。このほか「あんず」「こなみ」「みこと」などの愛称も寄せられた。
14日には施設のコアラ館前でセレモニーが開かれ、くす玉割りでの愛称発表や保育所園児らによる歌の披露などが行われた。好天にも恵まれた祝福ムードの中、井上さんは「ナギには皆さんに愛され、元気で優しい子として長生きしてほしい」と笑顔をみせた。
ナギについて当初、施設は雄と発表したが、3月の健康診断で雌と判明。ストレスをかけないようにするため、捕まえたうえで調べていなかったためだった。
一方、施設のコアラをめぐってはナギの前に生まれた赤ちゃん(雄)が死んでいるという背景がある。これまでを振り返りながら、飼育担当の後藤敦さん(41)は「生まれてから半年というコアラにとって難しい時期を乗り越え、皆さんが祝福してくれるまでに育ってくれたことをうれしく思います」と語った。
コアラ館を訪れた和歌山県岩出市の主婦、菅原萌(すがはらめぐみ)さん(25)は「6月に出産予定なのですが、『ナギ』の名の由来に感銘を受けました。自分の子供に名前をつけるうえでも参考になれば」と話した。
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