福井市のシンボルの一つ「足羽川の桜並木」ですが、植えられてから70年以上が経ち、衰退のため倒木などが目立っています。この桜並木を維持するために必要な資金を確保しようと、6日、福井駅周辺で啓発活動が行われました。
福井市の桜の名所の一つ、足羽川の桜並木は全長2.2キロ、約600本におよび「日本さくら名所100選」に選ばれ、桜のトンネルが作り出す美しい景観は県内外の人を魅了しています。
この桜並木は、福井空襲や福井地震からの復興のシンボルとして、1952年(昭和27年)に開かれた「福井復興博覧会」に合わせて、市民から集められた寄付金によって植樹されました。
寿命が70年とされるソメイヨシノですが、植樹から70年あまりが経ち、並木の桜の多くも老木となりました。台風や大雪のたびに倒木や枝折れが発生し、どう維持していくかが課題となっています。
福井市の観光振興課では、令和5年12月末の積雪により倒れた桜を、長く伸びすぎた大きな枝を切り、形をコンパクトにして植え戻しました。河川法の規定により、新たに桜などを植えることができないので「今ある桜をこれから先に残していくしかない」としています。
ソメイヨシノの寿命を延ばすため、太い枝は幹の近くから、細い枝はたくさんの本数を切り落とす「強剪定」と言われる方法があります。この処置を施すことで負担を減らし、芽の成長を促して再生を図ることができます。ただ、5年以内に強剪定を必要とする桜は約220本あり、その予算を確保することが求められています。
福井市民も「協力できることがあればしたい」と並木の存続に意欲的です。桜並木を後世に残していくため、福井市は保全活動を行っている市民グループ「桜守の会」などと一緒に桜の維持にかかる費用を賄おうとクラウドファンディングを実施しています。
4月から開始し、現在、企業の寄付も合わせて650万円ほどが集まっています。市観光振興課の担当者は「桜を長生きさせられるように手をかけていけば、30年先、50年先まで咲いていく。市民のみなさんの寄付により植えられた桜なので、これから先もも市民の力を借りて咲かせ続けていけたら。明るい景色をこれからも楽しんでもらいたい」と話します。
クラウドファンディングの目標額は約1200万円。ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」か、市の観光振興課の窓口で寄付することができます。募集期間は6月30日までです。
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