顕微鏡を使った研究などの発展に貢献した技術や製品を後世に伝える「顕微鏡遺産」に米子市ゆかりの顕微鏡4件が認定されました。
医学をはじめ、様々な分野で研究に欠かせない電子顕微鏡。米子と深いかかわりがありました。
こちらが、初めての「顕微鏡遺産」に認定された電子顕微鏡。
1990年代に製造され、試料の観察方法を大きく簡略化、生物学などの研究の進展に貢献しました。
この顕微鏡を愛用していたのは米子市在住の鳥取大学名誉教授、田中敬一さん。
あわせて「遺産」に認定された完成当時、世界最高の拡大率80万倍の電子顕微鏡を開発、世界で初めてエイズウィルスの写真撮影に成功した研究者です。
顕微鏡を使った研究などの発展に貢献した技術や製品を後世に伝えようと2024年初めて選定された「顕微鏡遺産」。
今回認定された15件のうち4件が米子市にゆかりがあるものでした。
認定番号1番、国内第1号の電子顕微鏡、開発には米子市出身の大阪大学名誉教授菅田栄治さんが携わっていました。
6月7日は、田中敬一さん愛用の電子顕微鏡を所蔵する米子市の児童文化センターで伊木市長に遺産への認定が報告されました。
米子市・伊木市長:
「大変米子市民にとしましても名誉なことでありますし、お二人の栄誉というものに改めて光が当たりまして大変嬉しい思いでございます」
伊木市長も、顕微鏡を通じてミクロの世界を体験しました。
将来を担う子どもたちの教育に役立ててもらおうと、このセンターに託された顕微鏡、田中さんが大学を退職したあと約500万円で購入。自宅を研究所にして、植物や昆虫など1万点以上を撮影してきました。
田中敬一さん(当時84歳):
「おもしろいことに卵の表面には、こういうふうな穴があるんですね。ここから空気が出入りして卵が呼吸するんですね」
電子顕微鏡の発展に大きな足跡を残した地元ゆかりの2人の先人。
鳥取大学医学部の関係者などを中心に「電子顕微鏡のまち・米子市」を掲げて、その業績をたたえています。
電子顕微鏡のまち・米子市推進協力会・稲賀すみれさん:
「ミクロの世界を自分自身で、観察、覗いてみていただけたらいいなと」
センターに置かれた田中さんの電子顕微鏡はその象徴になっています。
この電子顕微鏡は事前に申し込めば誰でも使うことができます。
米子市児童文化センターでは7月28日から「夏休み電子顕微鏡観察会」を開催、多くの人に電子顕微鏡に触れる機会を作りたいとしています。
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