梅雨や暑い時期に悩ましいのが、湿気や湿度の高さ。カビが生えたりしないよう、水回りの掃除を欠かさない人もいるだろうが、蛇口の“水やお湯が出るところ”はどうだろうか。

ここは名前を「吐水口(とすいこう)」といい、下を向くようにして取り付けられている。水量を調整するレバーや周囲のシンクに比べると目立たないが、濡れていることが多い。もしかしたら、この部分の掃除をあまりしたことがない人もいるかもしれない。

吐水口にも汚れがたまるようなことはあるのだろうか。お手入れをすべき“サイン”があるのかも気になるところだ。水回りの住宅総合機器メーカー「TOTO」の担当者に聞いた。

ピンクや黒い汚れなら注意が必要

――吐水口にはどんな汚れが発生する?

代表的なものは「白っぽい汚れ」です。水道水のカルシウムやマグネシウムが、水分の蒸発で残ってできる水あかになります。このほか珍しいですが「ピンクや黒い汚れ」が見られることもあります。ピンクの汚れは細菌が繁殖したもの、黒い汚れはカビの可能性があります。

ピンクや黒い汚れがあるなら注意(画像はイメージ)
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――汚れがついた吐水口から出た水は使える?

白っぽい汚れであれば、主な成分はカルシウムやマグネシウムになりますので、基本的には問題ありません。それ以外のピンクや黒い汚れがある場合は注意が必要です。

手洗いの水が跳ね返って汚れることも(画像はイメージ)

――汚れはどのような原因で起きる?

水道の使用で跳ね返った水、野菜・魚などが吐水口に付着すると汚れることがあります。一般的な生活環境だと、ピンクや黒い汚れがつく可能性は低いですが、蛇口の根本部分にはよくみられるので、吐水口もしばらくお手入れをしていない場合は、念のために確認してください。

キャップ・散水板・網を掃除しよう

――吐水口の汚れはどう掃除すれば良い?

清潔な歯ブラシで、汚れを落としていただくことになります。吐水口が取り外せるタイプなら取り外し、水が出てくる「キャップ」「散水板」「網」の汚れを落としてください。吐水口が取り外せない(下向きに固定されている)なら、可能な範囲で汚れをこすり落としてください。汚れがこびりついている場合は、清潔なスポンジを使ってもいいです。

吐水口が取り外せるタイプなら、まずは取り外す(提供:TOTO)

――掃除する際に洗剤は使っても良いの?

洗剤成分が残る可能性がありますので、(キッチンなど)水を口に含むかもしれない、吐水口に使うのはお勧めしません。蛇口の表面やレバーなどであれば問題ありません。中性洗剤やクリーナーをスポンジなどに付けて磨き、水で洗い流した後、乾いた布でふき取ってください。

取り外したら、キャップや網などを清潔な歯ブラシで洗おう(提供:TOTO)

――掃除する上でのポイントや注意点は?

あらゆる汚れに共通することですが、汚れを放置しないことです。汚れているかもしれないと感じたら早めに掃除しましょう。お手入れは取り扱い説明書を読んだ上で慎重に行ってください。細かい部品もあるので、取り外す場合は紛失にも注意してください。

吐水口が固定されているなら、できる範囲で汚れをこすって落とそう(画像はイメージ)

――吐水口の掃除はどのくらいの頻度で行う?

吐水口は現状が清潔であれば、年に1~2回のお手入れで大丈夫です。蛇口の表面やレバーは簡単にお手入れできるので、気づいた時に行うことを勧めています。

浄水器は「水の量やにおい」に注意

――蛇口に浄水器を付けている場合は?

浄水器を付けている場合も同じように、水が出てくる部分に汚れのようなものが付着していたら、清潔な歯ブラシなどでお手入れしてください。出てくる水の量が減ったり、カルキ臭・カビ臭を感じたりする場合は、お手入れや浄水カートリッジの交換が必要な場合もあります。

浄水器を付けている場合もお手入れは必要(提供:TOTO)

――ちなみに、浴槽にあるシャワーは掃除が必要?

こちらも掃除の考え方は同じです。汚れを清潔な歯ブラシなどで取り除いてください。使い方の注意点になるのですが、浴槽にシャワーヘッドを沈めると水圧で浴槽の水が入り込むことがあります。シャワー内部が汚れ、機能を損ねる可能性もありますので注意してください。



手洗いで跳ね返った水や食材が触れると、吐水口は汚れることがあるようだ。まじまじと見る機会は少ないかもしれないが、汚れのチェックとお手入れをしてみると良いかもしれない。

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