政府は14日、2024年版の「消費者白書」を閣議決定した。

問題のある販売手法や広告などによる消費者トラブルで、消費者が支払ったと推計される2023年の「消費者被害・トラブルの推計額」が約8.8兆円と、前年(6.5兆円)から増加し、過去最高となったことが分かった。

消費者庁によると、被害金額が1万円以上の脱毛エステを含む「保険サービス」や、化粧品を含む「保健衛生品」についての相談が増えたことに加えて、1件当たりの平均被害額が上昇したことが要因としている。

また、2023年に全国の消費生活センターなどに寄せられた相談件数は約90万9000件で、前の年より約3万3000件増加した。

相談内容で最も多かったのは「迷惑メール」や「不審な電話」を含む「商品一般」で6万5305件だった。1位から4位までは、前の年と同じ相談内容となった。

1位 商品一般  6万5305件
2位 不動産貸借 2万9339件
3位 工事・建築 2万3009件
4位 基礎化粧品 1万8662件

SNS関連の相談件数は、8万404件で、前年(6万1148件)より増加した。年齢別では、去年と同様に50代からの相談が最も多く、1万8515件で過去最高となった。50~70代からの相談が全体の約半分を占めており、「幅広い世代でSNSが普及している」としている。

消費者庁は「デジタル社会の進展に伴い、従来の消費者法制度だけでは対応が困難な部分も生じており、行政も柔軟な対応が必要」とした上で、「消費者が売り手になったり、情報発信者になるなど、他の消費者に影響を与える存在になっており、消費者のリテラシー向上が必要」として、情報発信や注意喚起に取り組んでいくとしている。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。