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<新刊の中からイチオシのビジネス書をピックアップし、それぞれのおすすめポイントを「本の作り手」である出版社の担当者が紹介>
毎月びっくりするほどの数の新刊が発売されていて、「どの本を選んだらいいかわからない......」と感じたことはありませんか? 「もうひと推しあったら買うかも」と思うような、本屋さんでよく見かける本もあるはず。1日1要約を提供しているフライヤーでも、残念ながらすべての新刊を紹介しきれません......。
そこで、そんなラインナップのなかから、書店やネットなどで話題となっている本をピックアップして、「推しポイント」をまとめてみました! きっと「あなた好みの1冊」が見つかるはずです。
※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載(こちらとこちらとこちらから)です。
逝去から一年「世界の坂本」のすべてがわかる一冊
『音楽は自由にする』
著者:坂本龍一
出版社:新潮社
本書は、昨年3月に惜しまれながら逝去されてから、なお多くの人に語り継がれている坂本龍一さんの決定的な自伝です。
河出書房の伝説的な編集者である父上のこと、幼少期のピアノとの出会いや初めての作曲。学生運動に明け暮れた都立新宿高校での日々。伝説的バンドYMOの成功と狂騒。音楽を提供した『ラストエンペラー』での栄誉、居を定めていたニューヨークで発生した同時多発テロの衝撃──。
華やかさと裏腹の激動の半生を、自らの言葉で克明に語った貴重な一冊です。装幀は坂本さん直筆の題字とスコアをあしらったスペシャルな仕様。永久保存版です。
(新潮社 新潮文庫編集部 菊池亮)
小さく始めて大きく育てる、現場目線のDX指南書!
『いちばんやさしいDXの教本
人気講師が教えるビジネスを変革するAI時代のIT戦略』
著者:亀田重幸、進藤圭
出版社:インプレス
本書は、2020年9月に発刊した「いちばんやさしいDXの教本」の改訂版です。初版を刊行した当時はまだまだ「DXって何?」という反応も多かったのですが、本書の核となる「小さく始める」という部分が多くの方に刺さったようで、広く受け入れられました。
あれから3年。当時は考えもしなかった変革が今まさに起こりつつあります。そう、生成AIによるパラダイムシフトです。今回の改訂版では、生成AI×DXにフォーカス。小さく始めて、加速度的にビジネスを強化するためのノウハウをたくさん盛り込みました。先進事例も多く掲載しているので、読み物としても楽しい1冊です。
(株式会社インプレス クリエイティブビジネス編集部 編集担当)
たった1%の「異端の思考」が圧倒的な成果を生み出す
『直感・共感・官能のアーティスト思考』
著者:松永エリック・匡史
出版社:事業構想大学院大学出版部
なぜ、ジャズミュージシャンは即興で演奏ができるのか?
なぜ、現代の作曲家は大量に曲を作ることができるのか?
そしてなぜ、あなたの会社ではイノベーションが起こらないのか?
無関係にも思えるこれらの問いには共通する答えがあり、その答えこそ革新を起こす思考の入り口なのです。
著者の松永エリック・匡史氏はプロミュージシャン、経営コンサルタント、青山大学学部長という異色の経歴を持ち、各分野で精力的に活動しています。本書では歴史と自身の経験を振り返り「芸術にイノベーションが起こる瞬間」をビジネスでの再現性とともに解説。人気講義を余すところなく書籍化した、お得な一冊です。
(先端教育機構 クリエイティブ室)
「論理的でない主張」に振り回されなくなる!
『コンサルの武器──成果を出す人が必ず回避する11の論理バグ』
著者:織田一彰
出版社:クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
論理的でない主張を、わかりやすく「〇〇病」と名付けて紹介している本書。夫婦でこの本を読んでから、本に出てくる病名が共通言語となり、会話のなかでも「今のは『大きさオンチ病』だね」「それは『一般化しすぎ病』じゃない?」とゲーム感覚で指摘しあえるようになりました。夫婦で指摘しあうのは特殊かもしれませんが、チームで読めば、チーム全体の論理性と生産性をアップさせられること間違いなしです。
SNS上やニュースサイトのコメント欄などでもよく見かける論理的なエラーに絞って、語り口調で解説されているので、すらすら読めます。他人の意見に振り回されやすいなぁ......と感じている人にはこの本、おすすめです。
(クロスメディア・パブリッシング 編集担当者)
10年の歳月が再現性を証明! ベストセラーを大幅増補
『いますぐ妻を社長にしなさい』
著者:坂下仁
出版社:フォレスト出版
プライベートカンパニーを設立して妻を社長にし、賢く節税しながら、妻の経済的自立もはかり、お金と心の両面で本当の幸せを手に入れるという画期的なメソッドを紹介した10万部のベストセラー『いますぐ妻を社長にしなさい』(初版は2014年刊行)。
その後10年、忠実に実践した人の1年後の収支は、最低でも数十万円、最大で一千万円増。10年という歳月が、再現性を証明してくれたのです。
新版では、現況に合わせて情報をアップデート、さらに潮流の変化をとらえた新章を4章分、約5万字増補しました。初めて読む人も、旧版を読んだ人も、楽しく学べる内容に仕上がっています。
(フォレスト出版 編集担当)
さあ、今日から「勇気の筋肉」を鍛えよう
『完璧じゃなくていい、勇気ある女になろう』
著者:レシュマ・サウジャニ
翻訳:岩田佳代子
出版社:海と月社
女性が幸せになるのにいちばん必要なのは勇気。外見を磨くのもいいけれど、 “勇気の筋肉” を鍛えるのはもっと大事──その主張のもと、この本には誰でも勇気を出して一歩を踏み出せる考え方や実践法がわかりやすく書かれています。
著者自身の成功&失敗体験や、古今の勇気ある女性のエピソードも折々に登場して、これもまた読ませます。
誰かの望みに応える生き方ではなく、自分の望みに応える生き方をしたいすべての女性にとって、この世界的ベストセラーはきっと、たくさんの知恵とパワーを授けてくれるはずです。
(海と月社 編集担当)
仕事を面白くするのは、結局自分だ。
『20代の仕事の教科書』
監修:藤尾允泰
出版社:致知出版社
仕事ができる20代はどこが違うのか──。新浪剛史氏、松岡修造氏、鈴木敏文氏、宮本亞門氏、菊間千乃氏、武田双雲氏......各界トップ33人が自身の20代を振り返りつつ、いまを生きる若者に向けて熱いメッセージを贈ります。
思考法、勉強法、日々の習慣、上司との付き合い方、キャリア形成......現場で生じる悩みを解決するヒントをぜひ見つけてください。
若手社員のみならず、後輩・部下指導に悩む幅広い世代の “仕事と人生のバイブル” です。
仕事にやりがいを見出せない、後輩や部下に合った “働き方指導” をしたい、キャリアを考え直したい、各界一流トップの実体験を学びたい、そんな方にオススメです。
(致知出版社書籍編集部 長尾加奈惠)
この1冊で後回しがなくなる!
『99%が知らない「行動」を科学する
「なまけもの」のやる気スイッチ』
著者:内藤誼人
出版社:総合法令出版
「なんだかいつもダラダラしてしまう......」
「仕事をしなきゃいけないのにスマホを見てしまう......」
「やらなきゃいけないことを、いつまでも先延ばしにしてしまう......」
このような自覚症状があるのなら、ぜひ本書をお読みください。どんな「なまけもの」の人でもやる気に溢れて行動的な人間に生まれ変わることができます。生まれつき、意欲のない人間はいません。いつも「めんどくさい」と思ってしまう人は、やる気の出し方を知らないだけなのです。
本書で取り上げる「やる気の出し方」は誰でもすぐに実践できるものばかりです。しかも、そのアドバイスは専門雑誌で発表されているような科学的な論文に基づくもので、その効果は実証されています。どなたでも安心して試していただけるはずです。
本書が一人でも多くの人が行動するきっかけになってくれると嬉しいです。
(総合法令出版 酒井)
現代人の抱えるモヤモヤ、哲学者ならどう答える?
『21世紀を生きる現代人のための哲学入門2.0
現代人の抱えるモヤモヤ、もしも哲学者にディベートでぶつけたらどうなる?』
著者:富増章成
出版社:Gakken
「人生、親ガチャで決まる?」「勝ち組に入るのがすべて?」―そんな現代人の抱えるモヤモヤを、哲学者に聞いてみたらどうなるのでしょうか?
本書は、「親ガチャ」や「資本主義の限界」など、現代人なら誰もが気になるテーマについて、哲学者と現代人がディベート形式で議論を重ねる全く新しいビジネス教養書です。
現代人も哲学者も対等な立場で議論するので、深く共感しながら読むことができ、賛成・反対双方の立場から考えが深まるというメリットも。
ぜひ本書を通して、悩み事や身の回りの問題解決に〈哲学〉という新たな視点を取り入れてみてください。
(Gakken 編集部 担当編集)
薄いけれども本格派! 戦国武将のシン・教養書
『1日1テーマ30日でわかる戦国武将』
構成:造事務所
出版社:文響社
戦国時代の花形ともいえる30人の武将に焦点をあて、1日につき1人の武将について読み進める戦国武将の入門書(1人あたり4ページ)。とはいえ、最新の研究成果も多く盛り込み、歴史通にも満足いただける内容になっています。
武勇でその名を天下に轟かせた猛者、その智謀で味方を勝利に導いた知将、主家の存続のために知恵を振り絞った苦労人、戦いに敗れてもなお、その忠義によって歴史に名を残した悲劇の将。織田信長に上杉謙信、本多忠勝に黒田如水......。
バラエティに富む魅力的な人物たちの解説に読む手が止まらない1冊です!
(株式会社文響社 編集部 畑北斗)
会話では「うまいことを言う」必要はありません!
『シンプルだからうまくいく 会話のデザイン』
著者:吉原珠央
出版社:ワニブックス
「会話中にうまいことが言えない」「会話が続かない」こういった悩みは、自分を他人に良く見せようと思う欲求から生まれるのだそうです。
心当たりはありませんか? 私はドキリとしてしまいました。
この本では、実力以上に自分を良く見せることはもうやめることを会話のスタートとしています。さらに、「反応」に焦点を当てながら、会話をデザインする(組み立てる)考え方と、実践的でわかりやすい方法を紹介しています。
「聞いていますよ」という相づちやオウム返しも、会話を円滑にするテクニックのひとつではありますが、一番大切なのは相手、相手の立場を思う気持ちです。そしてシンプルで温かい言葉を返すことができれば、相手との間に共感・信頼を築くことができます。
(ワニブックス 書籍編集部 小島一平)
実はたったこれだけ! スキルを学ぶ前に身につけておくべきビジネス地頭力
『ビジネスパーソンに必要な3つの力』
著者:山本哲郎
発行元:BOW&PARTNERS
発売元:中央経済グループパブリッシング
出版社:中央経済社
コンサル由来の、MECEやらロジックツリーやらのロジカルシンキング手法。さんざん本でも勉強して分かっているけれど、いざ現場で使ってみようと思うとうまくいかない。そもそも話がロジカルじゃない......少しでも、ご自身、あるいは部下に心当たりのある方に、朗報!! こんなに手取り足取り、本当に、身につく本は初めてです! たとえば、MECEなら、「要するに?」「具体的には?」「他には?」。でも、何より大事な力とは!
一番重要なのになぜか会社では教えてもらえない体験的実践的知恵と著者の熱い使命感のこもった一冊です。
(BOW&PARTNERS 代表 BOW BOOKS編集部 干場弓子)
世界最大級・7億件以上のデータから見える未来とは?
『2080年への未来地図』
著者:川口伸明
出版社:技術評論社
「言葉で表現できるものは形になる」
「 “貼れる人工光合成” で二酸化炭素を減らし、再生可能なエネルギーや化学製品を作る」
「バーチャルな自分へ “命の移住” をする」
そんな未来の可能性を、193カ国後・30言語・7億件超という類を見ない規模のデータをもとに描いたのが本書です。
パンデミック、地球沸騰化、気象災害、ウクライナやイスラエルの戦争、テクノロジーの脅威など直視すべき課題を受け止めつつ、「生きたいと思える未来を自分で作る」ためのヒントを網羅しています。
人気イラストレーター・六七質さんが描いた世界をデジタル印刷で鮮やかに映し出したカバーは、ぜひ実物を確認してみてください。
(技術評論社 書籍編集部 傳智之)
うれしい変化をあなたも起こしてみませんか?
『世界一清潔な空港の清掃人と日本一のごみ清掃員をめざす芸人が見つけた
「ごみと掃除と幸せな人生」』
著者:新津春子、滝沢秀一
出版社:三笠書房
「ごみの分別って大変」「掃除って面倒くさい」そう思っている人は多いと思います。
でも、たとえば、ごみを分ける、正しく捨てる、汚れをとる、部屋を片づける、清潔な空間を保つ、捨てない工夫をするetc.......そんな、誰かがやらないといけない日々の作業に「毎日が楽しくなる秘訣」や「人生を好転させる秘密」があると著者は説いています。生活する上で切り離せないごみと掃除から人生がプラスに変わるなら試してみたいと思いませんか?
ごみと掃除に夢中になって取り組んできた著者の話は読んで面白く、役立つアイデアも満載。楽しく実践するうちに暮らしがどんどん快適になり、人生を幸せに生きられる一冊です。
(三笠書房 編集担当者)
#辞め方改革 転職で失敗しないために
『今さら聞けない「転職・退職の超基本」』
監修:株式会社ハッカズーク
出版社:朝日新聞出版
今の会社にいていいのか?と「常にちょっと不安な人」には、ぜひ手に取って読んでみてほしい。
個人の人生観や価値観、習慣や、暮らし方など様々に変化するライフスタイル、終身雇用の終焉や、転職者数増加など、労働市場を取り巻く状況は大きく変化しつつある中、キャリアを考えるうえで避けて通れない「転職」の基本をわかりやすく解説し、ネガティブに捉えられてきた「退職」については、「退職=縁の切れ目」ではなく「退職後も繋がり続ける」を前提に退職することで、築き上げてきた人間関係や信頼関係をキャリア形成に役立てるという考え方も紹介しています。
未来の自分のために、自分自身の理解を深め、自分らしいキャリアを築く一助となる本です。
(朝日新聞出版 担当者)
間違えた言葉づかいは “妖怪” になる!?
『言葉の煎じ薬 言葉の診察室④』
著者:呉智英
出版社:ベストセラーズ
電話口のかけ声「もしもし」を「もし」と一語に略す。ひと昔前の若者言葉として見られましたが、果たしてこれは許される日本語なのでしょうか。
著者の呉智英氏は「思っている以上に良くない、日本文化に反する」と一刀両断。民俗学や神話も引用しながら、「もし」と一言しか言わないのはもはや人間ではなく “妖怪” なのだと言うのです。
身近な日本語の誤用から、軽快なタッチでその裏にある日本の文字文化、精神性を明らかにしていきます。著者は間違った言葉づかいをする知識人に対しては「醜く、卑しい」と手厳しいですが、われわれ読者に対しては優しく語りかけてくれるのでご安心を。
仕事で正しい日本語を心がける人も、言葉の歴史や文化的背景に興味がある人も、この書を手にすれば気づきが得られるでしょう。
「正しい日本語」から思想と文化が学べる!知的エッセイの名著が【増補新版】となって復活。シリーズ累計18万部を突破!
(KKベストセラーズ 書籍編集部 鈴木康成)
◇ ◇ ◇flier編集部
本の要約サービス「flier(フライヤー)」は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだりしただけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。
通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されており、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。
このほか、オンライン読書コミュニティ「flier book labo」の運営など、フライヤーはビジネスパーソンの学びを応援しています。
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