LiveNewsあきたで毎週火曜日に放送している「アウトドアで防災を考える」。7月は大雨に対する備えについて考える。
災害が発生する恐れがあるとき、何よりも大切なのは「命を守ること」。命を守る行動をとるには、必要な情報を早く正確に得るのが重要だ。
2023年7月、秋田県内は記録的大雨に見舞われ、広い範囲で甚大な被害が出た。あれからまもなく1年。自然災害が起きて避難するときに、必要な情報はどう入手すれば良いのか。アウトドアを取り入れた防災を広く伝える日本赤十字秋田短期大学の講師・及川真一さんに聞いた。
「気象庁は気象情報を発信。国土交通省・秋田県は、例えば河川の水位の情報を発信する。秋田市に関しては避難情報を発信。となると、テレビをつけていないといけない。あくまでも詳しい情報は、自分でその先にある発信元まで調べないといけない、ということが情報を得るために必要な行動」と及川さんは話す。
いざという時の避難に役立つ情報はさまざまな媒体が発信している。気象庁では警報の危険度などが確認できるほか、設定すると自分が住んでいる地域や必要な情報がまとまった自分専用のページができる。
国土交通省や県は、県防災ポータルサイトなどを通じて河川の水位や防災・支援情報などを発信している。
市町村もそれぞれ情報を提供している。例えば秋田市は、ラジオ、ホームページのほか、「防災ネットあきた」に登録すると避難・災害情報がメールで配信される。
情報を、どこから・どう得るのかを把握しておくことは、いざという時のための「備え」の一つだ。
日赤秋田短大・及川真一さん:
「いま自分が住んでいる地域が、ハザードマップや浸水想定区域図などのどこにあるのか。自分の地域が、例えば浸水区域に該当しているかなどを確認してほしい。ただし、その地域周辺に水があふれてしまった、マップ上では大丈夫だったのに、という過去の経験もあるので、色がついていないから大丈夫とは思ってほしくない」
ハザードマップは、市町村の役場の窓口などで手に入るほか、ホームページなどで確認できる。
ところで、情報先としていろいろな媒体があるが、スマートフォンを活用して情報を得る人はどれくらいいるのだろうか。
及川さんは「あちこちの地域防災に携わっているが、多くの住民から『なかなか情報がなかった』という声を聞く。情報は一方的に受け取るものと、自分から取りにいかないといけない情報があると思う。その一つにスマートフォンがある」という。
スマートフォンから得られる情報は多岐にわたる。特にいち早く「最新情報」が得られることが多く、自分の命や生活を守る判断につなげられる。そのために「スマートフォンに慣れること」が重要だ。
及川さんは「スマートフォンで電話をかけるだけ・受け取るだけで、実際にどこかのサイトのホームページにアクセスしたことがない、という人が多い」と指摘する。そして、「災害時に非常に役に立ち、自分の行動のきっかけになる情報がそこにはあるので、日頃からスマートフォンに慣れてほしいし、サイトに一度でもいいからアクセスしてほしい」と話す。
操作方法やシステムに不安を抱く人は少なくない。分からないことは家族や携帯電話会社に聞くなどして、平常時に解決しておこう。
テレビにラジオ、インターネット、SNSなどに情報はあふれているが、なによりも大切なのは「必要な情報を、正確に、より早く集めること」。いざという時に命と生活を守るために、自分に合う情報収集の仕方を考えておくことが重要だ。
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