毎年、夏が近づくにつれて目にする猛暑のニュース。強い日差しの中でも、記者たちは現場をかけまわる。冷た~いトンネルを走る日本唯一のトロリーバスのラストランから“世界一のジェラート職人”が手がける復活を果たした店まで記者が惹きつけられるのはストーリー豊かなひんやりスポット。町の隅々まで駆け回った地元記者だからこそ知る夏休みにもぴったりな「涼し~い」空間を紹介したい。
※外部配信先では写真が表示されないことがあります。その場合は、FNNプライムオンラインのサイトでご覧下さい。
夏だけ出会える紺碧の池と今年最後のトロリーバス/富山
富山で地元記者がおすすめするのは、代表的観光地、立山黒部アルペンルート。
この記事の画像(13枚)標高3000メートル級の立山連峰に電車やケーブルカーなど公共交通機関で訪れることができる。
ルートの最高地点、標高2450メートルの室堂ターミナル周辺は、気温が平地より10~15度ほど低く、避暑にはうってつけだ。
その室堂ターミナルから歩いて7~8分、紺碧の湖面が目に入ってくる。
北アルプスで最も美しい火山湖「みくりが池」だ。
春は雪にすっぽりと覆われているが、7月上旬ごろには、全面に美しい青色が現れる。
みくりが池は、室堂平のシンボルで、近くには立ち寄り温泉や食事処、展望台もある。
道はしっかり整備されているので、カジュアルな服装でも散策できる。
室堂ターミナルの一角には、実は、日本最高所の「鉄道駅」がある。日本で唯一走っている「トロリーバス」だ。バスと名前がついているが、架線から電気の供給を受けて走る、鉄道の仲間だ。
室堂と大観峰の3・7キロの区間をおよそ10分で結ぶ。
トンネルの中は常にひんやりとした空気が漂う。
1996年の運行開始から、のべ1940万人の観光客を運んできたが、車体を維持する部品の調達が難しくなり、来年から電気バスに変わることが決まっている。
このため日本唯一のトロリーバスは、今年11月30日で運行を終了する。
ひんやりとした立山トンネルを抜けるトロリーバスに乗れるのは、今年の夏だけだ。特別にバスのバックヤードツアーなども開催される。
トロリーバスの写真をもっと見る
(富山テレビ)
和傘×風鈴“目で感じる”涼スポットと剣豪ゆかりの滝/福井
福井で地元記者がおすすめするのは、和傘と風鈴が織りなす “映えスポット”と剣豪・佐々木小次郎の言い伝えが残る滝。
福井市中心部から南東約10kmのところに一乗谷朝倉氏遺跡がある。戦国時代、朝倉氏が103年にわたって治めた越前国の拠点で、織田信長による焼き討ちで滅ぼされて以来、約400年にわたって地中に眠っていた“日本のポンペイ”とも言われる遺跡だ。
広大な遺跡の中には、武家屋敷と町屋からなる町並みが200メートルにわたって復元されていて、ドラマやCMのロケ地として度々利用されている。
戦国時代にタイムスリップしたかのような復元町並みの一角に、期間限定の“映えスポット”がある。戦国情緒を引き立てるカラフルな和傘と、風に乗って心地よい音を響かせる風鈴が、涼しげな空間を演出している。
「和傘スカイ」と名付けられたこの催しは、若い人にも遺跡に足を運んでもらいたいと2020年から始まった。無料レンタルの和傘をさして写真撮影をすることもでき、若者を中心に“インスタ映えする”と評判に。
風が吹くと一斉に音を奏でる約300個の風鈴。
その中に身を置き、澄んだ音色に包み込まれながらたなびく短冊を眺めていると、ひとときの清涼感を味わうことができる。10月からは風鈴がちょうちんに変わるので、耳と目で“涼”を感じられるのは、夏限定となっている。
遺跡を流れる一乗谷川を約4キロ上流に行ったところには「一乗滝」がある。剣豪として知られる佐々木小次郎が、この地で修行を積み「つばめ返し」を編み出したとされている。
夏は涼を求め、冬は空手の寒げいこの場として、地元では年間を通して愛されるスポットの一つとなっている。
真夏でも水温は15度前後、気温も市街地より5度ほど低く“リアルに”涼しいスポットだ。散策に疲れたらぜひ立ち寄って。マイナスイオンに癒やされること間違いなしだ。
〈和傘スカイ〉
住所:福井県福井市城戸ノ内町(一乗谷朝倉氏遺跡 復元町並内)
期間:11月下旬まで(10月から展示内容が変更)
※復原町並の入場料が必要 / 一般330円、70歳以上100円、小・中学生100円
〈一乗滝〉
住所:福井市浄教寺町 ※見学自由
(福井テレビ)
“世界一のジェラート職人“の店が復活!/石川
石川で地元記者がおすすめするのは、能登町瑞穂にあるジェラート店「マルガージェラート」能登本店。国際大会でチャンピオンになるなど、“世界一のジェラート職人”として知られる柴野大造さんが手がけるジェラート店だ。
元日の能登半島地震で、店内は断水や酒瓶が割れるなどの被害があったが、3月26日に断水が解消したことから営業の再開を決断し、4月から営業を再開している。
店に並ぶのは能登の塩とチョコレートを組み合わせた新作に、能登の旬の食材をふんだんに使ったジェラートだ。
再開した当日は、再開を待ちわびた人たちが次々と買い求めていた。
世界一のジェラート職人として知られる柴野大造社長は、「ようやくという形。これだけのお客さんに楽しみにしていただいているのを間近に見て再開できて本当に良かったと思います」と話している。
能登本店は、水曜日を除く午前11時から午後5時まで営業。人気スポットの復活に能登半島地震からの復興への期待が集まる。
〈マルガージェラート能登本店〉
住所:能登町瑞穂163-1
(石川テレビ)
※2024年6月時点の情報です。
この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(13枚)鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。