毎年、夏が近づくにつれて目にする猛暑のニュース。強い日差しの中でも、記者たちは現場をかけまわる。まるで「ダンジョン探索」のようなミステリアスな洞窟から魚が氷漬け?の水族館までストーリー豊かなひんやりスポットに記者は惹きつけられる。町の隅々まで駆け回った地元記者だからこそ知る休みにもぴったりな「涼し~い」空間を紹介したい。
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15℃のヒンヤリ体験と驚愕のゾクゾク体験/福島
福島から地元記者がおすすめするのは、県を代表するひんやりスポット「あぶくま洞」。JR郡山駅から車で小一時間。福島県田村市で見つけた涼しさを感じるスポットだ。
鍾乳洞の中は年間を通じて平均約15℃ で、夏でも半袖では少し寒さを感じるぐらいのひんやり感。
この記事の画像(31枚)全長600mの洞内に、種類と数の多さでは東洋一ともいわれる鍾乳石が続く。光の演出をしているポイントもあり、幻想的な地底空間を体験できる。また洞内には地下水が滴り落ちる音が響き渡り、 目でも耳でも全身で涼しさを感じることができる。
鍾乳洞でクールダウンしたら、もう1カ所立ち寄ってほしいスポットがある。あぶくま洞から車で約40分、同じく田村市の常葉町にある「ムシムシランド」へぜひ。
ムシムシランドは、自然の中でカブトムシの生態を観察できる施設で、珍しいカブトムシの展示や直接昆虫と触れ合うこともできる。
色んな意味で“涼しさ”を感じることができるのが、昆虫グルメ! ムシムシランドの昆虫館で販売されている、夏にぴったりの「コオロギソフトクリーム」は、バニラ味のソフトクリームに、コオロギがたっぷりとトッピングされている。
味は…コオロギの香ばしさと塩気が、甘いアイスがよく合うそうだ。サクサクとした食感もGOOD!?4月から11月まで販売されているので、気になる人はぜひ試してみてほしい。
この夏は、福島県田村市で色んな“涼しさ”を堪能してみては。
<あぶくま洞>
住所:福島県田村市滝根町菅谷東釜山1
<ムシムシランド>
住所:福島県田村市常葉町山根字殿上160
入園料や開園期間はホームページで確認を(https://mushimushiland.com/)
(福島テレビ)
マイナス20度!気仙沼の「氷の水族館」 港町が誇る製氷技術に注目/宮城
宮城から地元記者がおすすめするのは、観光施設「気仙沼 海の市」にある氷の水族館。生鮮カツオとサメの水揚げ日本一を誇る気仙沼市にある、港町ならではの“涼”スポットだ。魚の流通に氷はなくてはならないもの。館内には80種類の気仙沼で水揚げされた魚介類がすべて氷漬けで展示されている。
館内の温度は氷点下20度。防寒着を貸してもらえるが、それでも十分に涼しい、というか寒い!館内ではプロジェクションマッピングの演出もあり、氷漬けの魚が今にも動き出しそうな感覚になる。
この施設を運営しているのは、気仙沼市の製氷会社「岡本製氷」。氷の可能性を追求する中で、気仙沼が誇る魚を知ってもらう機会を提供しようと2002年に設置したという。東日本大震災の津波で被災し一旦休館したものの、2017年にリニューアルオープン。復興に向かう気仙沼市に観光客を呼び込む人気のスポットになっている。
館内には、氷に閉じ込められたような写真が撮れるコーナーや気仙沼市の観光キャラクター「ホヤぼーや」の氷の像も展示されている。外がどんなに暑くても、間違いなく楽しめる氷の水族館。港町を支える製氷技術に思いをはせながら涼みに来てはいかがだろうか。
<氷の水族館>
住所:宮城県気仙沼市魚市場前7-13
(仙台放送)
まるで「ダンジョン探索」!たどり着いた先に待つ“青く輝く神秘的な空間”/岩手
岩手から地元記者がおすすめするのは、石灰岩からなる鍾乳洞「滝観洞」。年間を通して洞窟内の気温が10度前後とまさに涼しさを感じるスポットだ。県の沿岸南部、町の9割を森林が占める「住田町」。1800年代後半に発見され、1921年頃に洞窟探検に入った地元の青年たちによって、洞窟の奥に滝があることが判明。その後、整備が進められ、1955年に観光洞(大洞岩窟滝)として開業された。
映画「八つ墓村」のロケでも使われた薄暗くミステリアスな雰囲気の洞窟内、現在一般公開されているのは入口から880メートルの区間だ。ヘルメットを身に着け狭い道を通りながら岩肌を進むアドベンチャー体験はまるでRPGゲームのダンジョン探索のよう。途中には3億年前の植物の化石や長い年月で浸食された岩などを見ることができ、歴史のロマンを感じることができる。
ひんやり涼しげな洞窟内を奥へ奥へと進むこと約50分、轟音が鳴り響く最奥部で待っていたのは圧巻の光景。「天の岩戸の滝」だ。蒼く照らされた高さ60メートル、周囲50メートルのドーム状の空間にある大理石の裂け目から流れ落ちる落差29メートルの滝は国内最大級の洞窟滝と言われている。その美しさはダンジョンの奥に眠っていた“神秘の宝箱”のようだ。最奥部の気温は約10度、マイナスイオンたっぷりの空気を体中に浴び洞窟をあとに。
洞窟を出た後はもう一つの“涼しさ”を堪能。2024年4月にオープンした滝観洞観光センター「おらいの滝観洞」の2階にある「蕎麦テラス」で体験できる“滝流し蕎麦”だ。筒の中を流れる天然水と一緒に流れてくる蕎麦は暑い日にピッタリ、洞窟探検と一緒に家族で楽しめるアトラクションだ。
暑さを忘れる様々な体験ができる岩手県住田町の「滝観洞」、岩手めんこいテレビのイチオシスポットだ!
<滝観洞>
〒029-2501 岩手県気仙郡住田町上有住土倉298-81
通常営業(3月〜10月) / 8:30〜16:30
冬季営業(11月〜2月) / 8:30〜16:00
※滝流し蕎麦は夏季限定メニュー(4月下旬~10月下旬)
(岩手めんこいテレビ)
森林浴とマイナスイオン浴が同時に楽しめる「伏伸の滝」/秋田
秋田で地元記者がおすすめする“涼しさ感じるスポット”は、秋田市河辺の岩見川上流部にある「伏伸(ふのし)の滝」。マイナスイオンとひんやりとした空気に包まれて、涼やかなひとときが過ごせるスポットだ。
秋田市河辺の鵜養(うやしない)地域の奥、岩見川上流の大又川にある「伏伸の滝」は、落差約6メートルの三段の滝。切り立った岩肌から緩やかに流れ落ちる姿から、“女性的景観の滝”とも評される。水量が豊富で、川底が見えるほどに透き通った水の流れを間近に見ながら散策を楽しむことができる。
春は新緑、夏は深緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、四季折々の豊かな自然が滝の周囲を彩る。季節を問わず美しい景色を堪能できるスポットだが、滝つぼの近くを包むひんやりとした空気を感じながら、マイナスイオンをたっぷり浴び、森林浴も同時に楽しめる夏がおすすめだ。
200メートルほど下流の殿渕(とのぶち)から遊歩道が続いているため、比較的近くで滝を見ることができ、しぶきを浴びながら迫力ある光景が楽しめるのも魅力。
鵜養地域の入り口近くには、秋田の観光三十景に選ばれている景勝地「岨谷峡(そうやきょう)」もある。岩見川に沿って約300メートルにわたって続く渓谷は、びょうぶのような巨大な絶壁と渓流、そして濃淡入り混じる緑の木々が美しい景観をつくり出し、訪れる人を癒やしてくれるスポットだ。
渓流を吹き渡る涼やかな風を感じに足を運んでみてはいかがだろうか。
<「伏伸(ふのし)の滝」>
住所:秋田市河辺岩見
問い合わせ:秋田市建設部公園課 018-888-5753
(秋田テレビ)
ぷるぷる食感! 初夏の味覚・天然ジュンサイの収穫体験でひんやり/山形
山形で記者がおすすめするのは、全国でも数少ない天然もののジュンサイの収穫体験ができる村山市・大谷地沼。
村山市の大谷地沼は「ジュンサイ沼」とも呼ばれ、約300年前から続くジュンサイの産地。この沼で採れるジュンサイは全国でも数少ない天然もので、「ヌル」といわれる寒天質が多いのが特徴。
収穫したジュンサイは持ち帰ることができ、おひたしやおみそ汁に入れて食べるのがおススメ。キラキラしていて見た目が涼し気で、外側はぷるっと、中はシャキシャキで食感がいい。
ゆったりと箱舟に揺られながら、期間限定の“おいしいひんやり”体験を楽しんでみませんか。
住所/山形県村山市田沢2163
営業時間/6月上旬~7月下旬までの期間限定/体験可能時間 9:00〜16:00
料金/大人(中学生以上)1時間1000円/人 時間無制限1,800円/人
小学生 1時間500円/人 時間無制限900円/人
※体験1時間の場合、収穫したすべてを持ち帰り可。時間無制限の場合、1キロまで持ち帰り可
(さくらんぼテレビ)
“東北の熱海”で〆のビールまで楽しむ「浅虫温泉」/青森
青森から地元記者がおすすめするのは、青森駅から電車で25分ほどのところに位置する「浅虫温泉」。
浅虫温泉観光協会のHPには「温泉街として全国的にも名の知れた『東北の熱海』などと呼ばれている」と、書かれている。とてもすてきなHPで「浅虫温泉」についての詳細はそちらを参考にして欲しい。
まずは、ローカル線・青い森鉄道に乗り込み浅虫温泉駅で下車する。取材時は外壁のリニューアル工事が行われていて7月中旬にも駅舎のデザインがガラッと生まれ変わるようだ。駅から徒歩10分、青森県民馴染みのレジャースポット「浅虫水族館」が一つ目の涼スポットだ。
昨年、オープンから40周年を迎え、青森県近海に住む魚たちを中心に展示、イルカショーやイベントが行われ、県内の多くの小学生が学習遠足で訪れたことがある、地域に根ざした独自性のある水族館なのだ。入口からしばらく進むと薄暗くなっていき「冷やっと」する感覚、水族館ならではの「涼」である。
様々な展示の中で一番おすすめしたいのが、長さ15mのむつ湾の海を再現した「トンネル水槽」だ。実際のホタテの養殖の様子や、頭上左右を多くの魚が自由に泳ぐ姿が間近に見られ圧巻なのだ。そこで昨晩の夕食を思い出して欲しい。青森県を訪れたら必ずと言って良いほど「刺身の盛り合わせ」を注文するであろう、大概のお店では店員さんが一つずつ丁寧に「青森の日本海で捕れたメバルです」、「むつ湾のホタテです」などと説明してくれる。新鮮でおいしかった味を思い出しながら魚を観察するのもありかもしれない。
「青森県の豊かな自然と恵まれた水産資源の魅力を感じていただきたいです」と水族感の担当者。ちなみに、夏期中の館内の温度設定は「25℃」だそうで、絶対に涼しい。
グルっと館内を見学し冷えた体におすすめの二つ目のスポットが「むつ湾展望所」だ。浅虫森林公園脇の入口からおよそ600mで、つづら折りの遊歩道になっていて登りやすい。
木漏れ日射す緑のトンネルを抜ければむつ湾の大展望が広がり、その眺めを前にすると一瞬で疲労が吹き飛ぶ“登山あるある”の魔法にかかったようだ。むつ湾からの潮風と森林の香りが相まって「涼」が体に染み込み、下山も頑張ろうと思えてくる。
無事に山を下り一息ついた途端、「足が疲れたよ」という人には、温泉街ならではの「足湯」が駅前にあるので、思う存分浸けてほしい。
「小腹が空いたよ」という人は足湯も隣接する「飲泉所・温泉たまご場」で好きなだけ茹でてほしい。ただし、たまごは持参で。
太公望の人、魚釣りがしたくなった人は手ぶらで行ける「浅虫海づり公園」で釣りまくってほしい。サンセットビーチを歩いて、道の駅「ゆーさ浅虫」の展望浴場で汗を流してほしい。海も山も温泉も、「浅虫温泉」は青森県のいいところがギュッと詰まった日帰りで行けるスポットなのだ。
温泉でととのえた体にちょうどいい最後の「涼スポット」を紹介したい。浅虫温泉駅から徒歩5分、白いのれんが営業中の目印「蛍火醸造」だ。クラフトビールの手法を用いながら「地域の食」にマッチするビールを製造販売している。
冷えたビールがのどを通る瞬間、これぞ「涼」を感じる至福の時だ。取材に訪れた日は、ちょうど「一周年記念イベント」が行われていて、たくさんのお客さんで賑わっていた。渇いたのどに一杯目に選んだのは「残光」。ブドウのような香りが漂い苦みも少なく、思わずゴクゴクとのどをならし飲んでしまった。渇きには残光しか勝たん、というやつだ。
続いて、「千輪」。このきれいな琥珀色の正体を確かめるため一口ゴクリ。ほのかなグレープフルーツのような香りと苦味がバランス良く主張し合い、味わい深い。最近の一番人気だというのも納得できるうまさだ。あいにくこの日は「蛍火」と店の名が付いたフラッグシップビールが「完売」。とても残念だが、どんなクラフトビールなのか直接お店を訪れ確かめてほしい。
他にも常時三種類程度の限定銘柄や季節銘柄もあるようだ。
店主に浅虫温泉を選んだ理由を聞くと、浅虫という町が風光明媚で、かつ市民や旅行客の憩いの場としてポテンシャルを有している思い、温泉とビールの親和性も高いと考えたからだという。今後については「満足のいくビールは醸造しているつもりですが、それらの磨き上げにはゴールがないのかと。当店で地元のお客様、あるいは観光のお客様との交流を楽しむ場になればと思っています」と、店主のビールへの探究心はまだまだ続くようで、新しい味に出会える機会も続きそうだ。
最後に、2024年も7月最後の日曜日に「浅虫温泉花火大会」が開催される。地元の人や観光客がドッと押し寄せ、臨時便も増発され、青い森鉄道が混雑する希な日になる、夏の一大イベントの一つである。4000発の打ち上げ花火が温泉街の夜空を照らし水面に映る風景はまさに“映え”。この花火大会を皮切りに青森県の各地で次々に夏祭りが始まるのだ。
青森が最も「暑く」なる祭り期間中は、もしかしたら浅虫温泉も「涼しく」感じないかも?しれない。
(フジテレビ社会部青森支局 蘓武 紀彦カメラマン)
※2024年6月字時点の情報です。
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