毎年、夏が近づくにつれて目にする猛暑のニュース。強い日差しの中でも、記者たちは現場をかけまわる。楽しい滝の裏側探索アクティビティからゾクゾクする幽霊のご開帳まで、記者が惹きつけられるのはストーリー豊かなひんやりスポット。町の隅々まで駆け回った地元記者だからこそ知る夏休みにもぴったりな「涼し~い」空間を紹介したい。
※外部配信先では写真が表示されないことがあります。その場合は、FNNプライムオンラインのサイトでご覧下さい。
ボートに乗って大迫力の滝”東洋のナイアガラ”の裏側探索/大分
大分で地元記者がおすすめするのは、「東洋のナイアガラ」で楽しめるスリル満点なアクティビティ。のどかな風景が広がる、大分県豊後大野市の人気の観光スポットのひとつ「原尻の滝」だ。
この記事の画像(27枚)「日本の滝百選」にも選ばれている名瀑でおよそ9万年前の阿蘇山の大噴火によってできたといわれている。
幅120メートル、落差は20メートルあり「東洋のナイアガラ」とも呼ばれるこの場所で、清らかな川や滝を利用したアクティビティが今注目を集めている。
遊覧ボートに乗って滝つぼ近くまで行き、普段見ることのできない大迫力の滝の裏側を通ることができる。大自然の中で思いっきり冷たい水を浴びて涼を感じてほしい。
〈原尻の滝〉
住所:大分県豊後大野市緒方町原尻936-1 ※アクティビティは事前予約が必要
(テレビ大分)
夏に怪談話で冷感味わう!400年の歴史ある寺で幽霊のご開帳/長崎
長崎で地元記者がおすすめするのは、毎年8月16日「産女の幽霊」のご開帳が行われる長崎市の光源寺。約400年の歴史があるお寺だ。
「産女の幽霊」とは、身ごもった女性が亡くなり、墓の中で子どもが産まれたが、母乳が出ないため、母親は幽霊となって飴を買いに現れるというもの。「産女の幽霊」の話は全国各地に残されているが、光源寺では木製の幽霊像も保存されている。納めてある箱によると延享5年と記されているが作者は分からずなぜ長崎にあるのかも不明で、言い伝えは明治になってからではないかともいわれている。
幽霊像は高さ約40センチほど。毎年お盆の翌日に幽霊像を飾り、お盆に帰ってきた御霊を供養して母親の愛情を語り継ぐ「ご開帳」を行っている。
幽霊像の写真をもっと見る
光源寺に伝わる「産女の幽霊」は夜な夜な飴を買いに来ていたが、最後はお金がなく「飴を恵んでほしい」と飴屋に頼んだとされる。不思議に思って飴屋が女性の後をつけたところ、光源寺本堂前のお墓の前で消えた。住職に立ち会ってもらいお墓を掘り起こすと女性のそばに元気な赤ちゃんがいた。
保護された赤ちゃんは無事に父親のもとに引き取られた。町内に井戸がなくて困っていることを知った女性はお礼に町に水を湧きださせた。
この水のおかげで、その後町名ともなる「麹」を作るのが盛んなエリアとなり、今でも麹屋町には井戸のモデルとなった場所が残されている。
夏にちょっぴり怖~い、でも母の愛を感じる話。ゾクゾク感を味わいに行ってみては?
〈光源寺〉
住所:長崎県長崎市伊良林1-4-4
(テレビ長崎)
「水の都」で色鮮やかな鯉を鑑賞 冷たい名物甘味も♪/長崎
長崎でもう一つ地元記者がおすすめするのは、島原の湧水スポット。名水100選「水の都」島原は、一日の湧水量が20万トンといわれる。寛政4年(1792)島原大変時の地殻変動で水の通り道が塞がれたり地割れが生じたことで、市街地から水が湧き出るようになったとされる。
歴史的大災害は人々に大きな被害を与えたと同時に、「湧水」という自然の恵みをもたらした。町のあちこちにこんこんと水が湧く湧水スポットが点在し、悠々と水と戯れる色鮮やかな鯉が泳ぎ、見ているだけでひんやりする。
こうした島原市内中心部の新町一帯には全長100メートルにおよぶ水路が流れ、色とりどりの錦鯉が放流されている「鯉の泳ぐまち」エリアがある。
中でも代表的なのが、湧水庭園「四明荘」。明治後期に市内在住の開業医の別邸として建築され、四方の眺望に優れていることから、この名となった。国の登録有形文化財に指定されている。
1日約3千トンの湧水量を誇る池には色とりどりの鯉が泳ぎ、庭内には赤松や楓など様々な植栽が施されている。湧水池の透明さに「鯉が宙に浮いて見える」と海外で有名になったという話もある。
座敷は正面と左側面の二方が池へ張り出し、座敷の奥から庭園を見下ろすと座敷と庭園が一体となり、ここでしか見られない独特の美しい景観が広がる。
四明荘の隣には、湧水のせせらぎを聴きながらホッと一息できる無料の休憩所がある。「しまばら湧水館(Koiカフェ ゆうすい館)」だ。昭和初期に建てられた屋敷を利用した古民家カフェで、島原名物「かんざらし」の手作り体験も楽しめる。
「かんざらし」とは白玉粉で作った小さな団子を「島原の湧水」で冷やし、蜂蜜、砂糖等で作った特製の蜜をかけたスイーツだ。約30分でおいしいかんざらしが完成する。
鯉を観たり、冷たい甘味を食べたりして火照った体を冷やしてはいかが?
〈四明荘〉
住所:長崎県島原市新町2
〈しまばら湧水館(Koiカフェ ゆうすい館)〉
住所:長崎県島原市新町2-122 ※体験は土日のみ、3日前までの要予約)
(テレビ長崎)
大河「西郷どん」に登場した滝 “糸”のように水流れる美の光景/鹿児島
鹿児島で地元記者がおすすめするのは、大隅半島南部、南大隅町にある「雄川の滝」。かつては若干“キツい”道中だったが遊歩道が整備されグンと行きやすくなった。
幅約60m、高さ約46mの岩肌から水がゆっくりとエメラルドグリーンの滝つぼに流れ落ちる独特の風景が魅力の雄川の滝。
鹿児島を代表する観光地の一つで霧島錦江湾国立公園に指定されている。大河ドラマ「西郷どん」のオープニング映像に登場したことでも知られる。
年間7万人近い観光客が訪れる雄川の滝だが、かつてはたどり着くまで、急な階段や坂道をいくつも越える必要があった。
しかし2023年4月、駐車場から滝まで約1・2kmの遊歩道がバリアフリー化され、車椅子やベビーカーでもスムーズに行けるようになった。
鹿児島市内からだと大隅半島までのフェリーを含めトータル片道2時間あまり。日帰りのドライブにもおすすめだ。周辺の駐車場には約70台止められる。これからの季節、日差しは強いが、遊歩道には涼しい風の吹くスポットがあり、火照った体を癒やしてくれる。
そして展望台から眺めるゴツゴツした岩と糸のように流れる水の神秘的な共演は、心も体も涼しくしてくれることだろう。
〈雄川の滝〉
住所:鹿児島県南大隅町根占
(鹿児島テレビ)
神社の真横の“天然クーラー”!自然の神秘を体験できる穴場の避暑地/福岡
福岡で地元記者がおすすめするのは、福岡市内から車で約1時間、県中央部に位置する田川市・夏吉地区の「岩屋(ごうや)鍾乳洞」。
この鍾乳洞は神社の真横にあるが、穴場の避暑地として密かに注目されている。
無料・無人で、出入りの際は各自で照明のスイッチを入れる仕組みに。
取材日はかなりの暑さで、外気温は手元の温度計は35℃を超えていたが、鍾乳洞の入り口を入った瞬間からひんやり。一気に気温が下がり、温度計は21℃に。
鍾乳洞は石灰岩が地下水などによって侵食されてできた洞窟で、太陽の影響を受けず温度は年中ほぼ一定に保たれているため“天然のクーラー”ともいわれている。
鍾乳洞は先に行けば行くほど狭くなっていて、しゃがみながら1人がギリギリで通れるスペースや、足元に水が溜まった場所もあるが、中は1本道のため迷子になる心配はない。
鍾乳洞の全長は約170メートル。約30分でゴールに辿り着く。自然の神秘と涼しさを感じながら、非日常の冒険気分も味わえる無料の「涼スポット」、夏の思い出に家族で出かけてみてはいかがだろうか。
〈須佐神社「岩屋鍾乳洞」〉
住所:福岡県田川市夏吉岩屋4688-1
(テレビ西日本)
玄界灘で新鮮な海の幸を!サウナもついたグランピング施設/佐賀
玄界灘に浮かぶ小さな離島「松島」。イカの活き造りで有名な佐賀・唐津市呼子の港を出発して船で約15分。
この島に2年前(2022年7月)にオープンしたグランピング施設「ON THE CLIFF」。
海を一望できる絶好のロケーションで“非日常”を楽しめる人気スポットだ。宿泊は1日1組限定。バーベキューでは、島でとれたばかりの魚や貝、野菜が味わえる。
宿泊施設はエアコン完備。ドーム状のテントになっていて、玄界灘を望みながらくつろぐことができる。
シュノーケリングなども体験でき、オープン当初にはなかったアクティビティに「サンセットクルージング」も追加。「サウナ」も新設された。
松島の人口は約50人。スーパーもコンビニも信号機もない。海に囲まれた小さな島では海風が暑さを和らげてくれる。離島ならではの豊かな自然の中で快適な夏を楽しんでみてはいかがだろうか。
〈ON THE CLIFF〉
住所:佐賀県唐津市鎮西町松島3489
料金:1泊2食付き 20歳以上…3万8000円
(サガテレビ)
中心市街地から30分の「キャニオニング」渓谷で天然ウォータースライダー/宮崎
宮崎で地元記者がおすすめするのは、宮崎市内の繁華街から車で30分の加江田渓谷(かえだけいこく)で出来る「キャニオニング」。「キャニオニング」は、渓谷の自然の地形を利用して、沢下りやダイブを楽しむ“究極の”アウトドアスポーツと呼ばれている。発祥は1870年代のヨーロッパと言われ、今ではアメリカをはじめ世界中で人気が広がるアクティビティだ。
正式スタート前の5月、この新たな観光スポットを取材した。
スタート地点に到着すると、崖を降りて川に入っていく。眼下の透き通った川からは、水しぶきが飛んできてマイナスイオンを感じる。ここでも十分に大自然を感じられるが、「キャニオニング」の神髄はこれからだ。
高い岩から川に向けて飛び降りるのだ。
初めての人にとっては、かなりの勇気がいる高さ。横から見ているカメラマンは「2メートルもない」というが、飛び込もうとしているリポーターは「5メートルはある!」と感じるような高さだ。それでも、勇気を奮い起こし川に飛び込む!
一度やってしまうと、さらに高いところからどんどん飛べるようになる。その後、次のポイントへ移動するのだが、川の流れに身を任せたり、岩場を歩いたり、時には大きな丸太を乗り越えて、大自然を進んでいく。
途中には天然のウォータースライダーも!川幅が狭くなっているところに一枚岩のような岩肌があり、スピードに乗って滑っていく。見た目以上の迫力!そして、何より水がきれいだから気持ちいい!さらには滝に打たれる場所もあり、気分は大冒険!
流れが緩やかなところで上を見ると、新緑越しに青空が広がっていた。まさに、身体ひとつで大自然を満喫。最後は宮崎産のお茶とお茶菓子のおもてなしがあり、冒険は終了した。
流れは割とおだやかなので、小学生から体験できるとの事。
宮崎市中心部や宮崎空港から車でわずか30分圏内。大自然の中で心身ともにリフレッシュできる。この夏宮崎に誕生した「キャニオニング」で、涼しさを満喫して欲しい!
〈まる宮キャニオニング〉
住所:宮崎県宮崎市大字鏡洲字家一郷
(テレビ宮崎)
17度でひんやり気持ちいいトンネル!七夕まつりも開催/熊本
熊本で地元記者がおすすめするのは、阿蘇郡高森町にある高森湧水トンネル公園。
阿蘇五岳の南側に位置し、世界最大級のカルデラを誇る阿蘇地域はきれいな水が湧き出る水源地が多く存在する。
そんな高森町の高森湧水トンネル公園にあるトンネルは、旧国鉄の高森線と宮崎・高千穂線を結ぶ計画で1973年12月に工事が着手されたが、相次ぐ出水事故で工事が中断し、現在は高森町の水源地となっている。
トンネルの長さは2055メートル。常時、毎分32万トンの湧水があり、水温が13度程度で一定なことから、トンネルの中も年間平均気温17度ほどと、ひんやり涼しい。2024年は7月3日から7日の間でトンネルの中を飾り付ける納涼七夕まつりを行う予定だ。
最寄りの南阿蘇鉄道・高森駅からは徒歩10分ほどで、南阿蘇鉄道のトロッコ列車に揺られ、阿蘇の山並みと風を感じながら観光に訪れるのもいい。
〈高森湧水トンネル公園〉
住所:阿蘇郡高森町高森1034-2
(テレビ熊本)
※2024年6月時点の情報です。
この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(27枚)鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。