20日から夏休みですが、福岡県宮若市の川で3人の女子児童が溺れて亡くなった事故から間もなく1年です。
今年も相次いでいる川や海での水の事故。
どうすれば命を守れるのか、取材しました。
◆記者リポート
「小学生たちが亡くなった現場では、1年が経とうとしている今もなお、花やたくさんの飲み物が手向けられていて、中には亡くなった3人の名前が書かれたものもあります」
福岡県宮若市内を流れる犬鳴川。
去年7月、小学生3人が溺れ、亡くなった現場の周辺には、この1年で金属製のフェンスが設置されたほか、川遊びは危険などと注意を呼びかける看板が24カ所に設置されました。
◆現場近くに住む人
「見てわかる通り、絶え間ない。花も替えてくれている。もうすぐ1年ということで、最近になってまた増えた」
川遊びをしていて深みにはまり、女の子3人が亡くなったのは去年の7月21日、「夏休みの初日」でした。
◆記者リポート
「河川敷のすぐ側を流れる細い川は、川底がこちらから見えるんですけど、その後、合流したところになると、川が濁ってどれくらいの深さがあるかが全く見えません」
子供たちが当初遊んでいたのは、深さ40センチほどしかない犬鳴川の支流でしたが、溺れた状態で発見されたのは、犬鳴川と支流の合流地点で、水深約3メートルの場所でした。
子供たちが発見された川の急な『深み』。
専門家によると、どんな川にも存在するといいます。
◆川に学ぶ体験活動協議会 村崎詩園さん
「支流側は(水深が)膝ぐらいしかなく、十分歩ける状態。岩の左側の本流は、いきなり深くなり、しかも足を取られるほど早い流れ」
一方、福岡市内を流れる那珂川にも、上から見てみると、急な深みがあることがわかります。
◆川に学ぶ体験活動協議会 村崎詩園さん
「緩い流れをちょっと油断すると、本流の強い流れと深みにはまってしまう。そういう状況はどこでも起こり得る」
水の流れが1カ所に集中する場所があるという川。
そこには必ず『深み』、そして速い『流れ』があるといいます。
専門家に指摘された川のある場所を取材しました。
この場所は、深い所で水深約70センチあるといいます。
記者が浅瀬から歩いてみると、身長175センチの記者でも足を取られると流されてしまいます。
◆記者リポート
「ライフジャケットがあったので、簡単に浮くことができたんですけど、ライフジャケットがなかったらかなり危なかったと思います」
どんな川にも必ずあるという『深み』、そして速い流れ。
だからこそ、ライフジャケットを必ず着用する必要があるのです。
◆川に学ぶ体験活動協議会 村崎詩園さん
「ライフジャケットさえあれば命が守れる。流されはするが、沈むことはない。どこかに流れ着くはず。ライフジャケットは絶対つけていただきたい。指導者は、スローロープというのを持っていて、万が一、流された時にはこれで救助する」
命を守るため非常に有効なのが救助用のロープです。
流された場合、ロープをしっかり掴むこと、そして、余裕があれば肩と腰にロープを回して、しっかり体に固定できれば、助かる確率は格段に上がります。
どこの川にもある急な『深み』と急な流れ。
不幸な事故を防ぐためには、川に対する正しい知識と十分な対策が必要です。
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