熱中症対策に欠かせないのがこまめな水分補給ですが「飲んでも飲んでも喉が渇いている」などの症状が見られたらもしかするとペットボトル症候群かもしれません。

誤った水分補給が意識障害などにつながるおそれもあるこの症状について、専門医に聞きました。

熱中症対策に必要な水分補給

静岡県内では7月に入り全国で2024年初の40℃を観測。7日連続の猛暑となるなど危険な暑さが続きました。

まだ7月で、この夏は観測史上最も暑くなるともいわれています。

光田有志アナウンサー:
熱中症対策には水分補給が欠かせません。皆さんはどのように水分を取っているのでしょうか

男性:
お茶ですね。1時間に1回くらい。コップ1杯分くらい。できれば糖分の多いものは控えめにという感じ

男性:
のどが渇いたときに結構飲みます。大体このペットボトル1本分くらいは飲んじゃいますね

男性:
スポーツドリンクとかを飲むようにしています。こまめに飲むようにしているので2口1口くらいをちょっとずつ飲んでいく感じにしています


糖分の多い清涼飲料水に注意

夏の熱中症対策には不可欠な水分補給。

こまめな水分補給が大切ですが、ジュースやスポーツドリンクなど糖分を多く含む清涼飲料水を大量に飲むと血糖値が急激に高まり、「ペットボトル症候群」になるおそれがあります。


溝口ファミリークリニック
寺田雅彦 医師:
“ペットボトル症候群”は俗称で医学的な名称は「清涼飲料水ケトーシス」と言う。

比較的短期間に大量の糖分濃度の高い飲み物を摂取した場合、急性の糖尿病のような状態を発症して不具合を生じることをいう。

非常にひどい喉の渇きに伴って倦怠感、体のだるさ、食事をしても体重が減ってきてしまうなどの症状がでる。

重症化してくると意識障害、意識がぼーっとして活動性が下がることも起こってくる

医師が推奨する水分補給の仕方

寺田医師は「糖分を多く含んだ飲料を過剰にとることで血液中の糖分が上がり、喉が渇きやすくなるため、さらにまた飲んでしまうという悪循環にも陥りやすい」と指摘しています。どのような水分補給が望ましいのでしょうか。

溝口ファミリークリニック
寺田雅彦 医師:
水分補給する場合、一般的には糖分が高い飲み物が飲みやすいので選んでしまいがちだが、大量に飲む場合、例えばスポーツの後など1~ 2L飲んでしまう。

そんな時には糖分のことを考えて、少し糖分低めの物を選んだり麦茶に少し食塩を入れて飲むなど工夫してもらうと良い

ペットボトル症候群になりやすい人

ペットボトル症候群とは「清涼飲料水ケトーシス」と言われるもので、症状としては急性の糖尿病のような状態になり、重症化すると意識障害が起こることもあるそうです。

また、ペットボトル症候群になりやすい人として次のような人は注意が必要です。
・清涼飲料水やスポーツ飲料を日頃から飲んでいる人
・10~30代の比較的若い人
・肥満のある人、糖尿病の可能性のある人

ペットボトル飲料に含まれる糖分はどの程度なのでしょう。

500mlのペットボトルに含まれる糖分をスティックシュガー(3g)が何本分かに換算して豊川保健所が整理した資料によると次の通りとなっています。

・麦茶や緑茶、無糖のコーヒーや炭酸水:ゼロ
・微糖のコーヒー:4本 
・スポーツドリンク:9本
・コーラ:19本  
・リンゴジュース:20本
・ヨーグルト飲料、炭酸飲料:22本

1日に必要な糖分は25gということですので、スポーツドリンク1本で超過してしまいます。

塩分補給も忘れずに

正しい水分補給はどうしたら良いのでしょうか。

溝口ファミリークリニックの寺田医師によると、普段飲むのは糖分のない水やお茶がよく、スポーツ飲料は糖分が少ないものを選んだり、薄めて飲むなど注意が必要なようです。

また、塩分補給も大切なので、お茶に食塩をひとつまみいれるなどするのも良いとのことでした。

ペットボトル症候群を自覚するのは難しいと思われるので、異常な喉の渇きやだるさなどを感じたら早めに医療機関を受診してみましょう。

治療は血糖を下げるインシュリンの投与などだそうです。

これから夏本番を迎える中、熱中症に対策として水分補給をする上で糖分にも気を付けるように心掛けましょう。  

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