子宮頸がんを予防するワクチンについて、接種の機会を逃していた世代の女性たちに無料で接種できることを知ってもらおうとキャンペーンが行われています。

子宮頸がんは身近な病気

静岡市葵区の静岡デザイン専門学校。

デザインやファッション、美容などを学ぶ若者たち250人が集まった教室で行われていたのは…。

静岡社会健康医学大学院大学・溝田友里 准教授:
学年あたりで考えても、何人かが子宮頸がんになって1人くらいは亡くなるような身近な病気です

行われていたのは子宮頸がんを防ぐHPVワクチンが無料で接種できることを若者に伝える国のキャンペーンです。

小学6年生から高校1年生を対象に無料の接種が行われているHPVワクチンですが、接種後に体の痛みなどを訴える人が相次いだため、厚労省は2013年から接種を勧めることは止めていました。

その後、安全性が確認されたとして2022年から接種の呼びかけを再開し、機会を逃していた17歳から27歳までの女性を対象に無料で受けられる「キャッチアップ接種」を行っています。

この日のセミナーでは、2025年3月には無料接種の期間が終わってしまうことや合計3回の接種に半年かかるため、2024年9月には接種を始める必要があることが説明されました。

女子生徒:
(HPVワクチン知ってました?)知らなかったです。具体的な数字で聞いて結構身近なものなんだなって思って。ちゃんとこれからは考えなきゃいけないんだなって思いました

女子生徒:
(接種の)2回目を受けるんですけど(子宮頸がんの)検診とかも受けてみようかなと思いました

「キャッチアップ接種」の“周知”を

静岡社会健康医学大学院大学・溝田友里 准教授:
こちらとして何か『打ってください』ということをお勧めする、そういう目的ではないので。ただ、本人がキャッチアップ接種をやっているということを知らないで終わってしまうっていう風にすると選択することもできないので、ワクチンのメリットとデメリットを十分知っていただいた上でご判断していただく、その機会にしたいと思って周知をしています

2025年3月までは無料で受けられますが、それ以降、自費で接種する場合には約10万円かかるということです。

今後も県内の大学などでPR活動が行われます。

この子宮頸がんについてこちらにまとめました。子宮頸がんは20代から40代の子育て世代の発症が多いがんです。

日本では年間1万人が発症し、毎年3000人近くが死亡しています。

HPV=ヒトパピローマウイルスへの感染が主な原因で、感染してもほとんどの人はウイルスが自然に消えますが、一部の人はがんになってしまうことがあります。

そして、日本で接種できるHPVワクチンは3種類ありますが、このうち「9価ワクチン」と呼ばれるものは8割から9割予防できるということです。

2025年度からは有料に

一方で、HPVワクチンを巡っては混乱もありました。

2013年4月から定期接種が始まりましたが各地で健康被害が報告され、国は接種の推奨を中止しました。

その後、厚労省は「安全性が確認できた」として2022年4月から再び接種を呼び掛けるようになりました。

このため推奨していない期間に接種していない女性も無料で接種できるキャッチアップ接種を行っていますが、2025年3月で終了するため、現在PRに力を入れています。

ただ、なかなか周知は届いておらず、対象となる人の半数は知らないというのが現状です。

接種するかどうかはそれぞれの判断ですが、2025年度から有料になるということはしっかり周知する必要があるように感じます。

一方でワクチンによる健康被害をめぐっては全国で訴訟が起きています。

ワクチン接種をした1万人のうち3人から5人が重篤な症状と判断されたというデータもあります。

接種はあくまで自己判断で

溝田准教授も「ワクチンの接種は強制でない」と強調し、「メリットとデメリットを十分に知った上で接種するかしないか判断してほしい」と話しています。

リスクや効果を理解した上で家族でしっかり話しあってみてもよいかもいしれません。

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