美しい桜並木で知られる秋田市の太平川沿いで、2023年7月の大雨被害に伴う河川改修がまもなく始まる。地域のシンボルであるサクラを守りながら工事を進めようと25日、作業員らが枝切りの方法を学んだ。

講習会には、太平川の改修工事に携わる15の土木事業者の作業員などが集まった。
 
2023年7月の大雨で太平川が氾濫し、周辺の住宅などに浸水被害をもたらしたことを受け、秋田県は川の約4.6キロで大規模な河川改修を進めている。

秋田市楢山から牛島にかけて1kmにわたって広がる桜並木も含まれるため、工事の妨げにならないようサクラの木の枝を切り落とす必要があり、樹木医の指導のもと、作業員が注意点などを学んだ。

重要なのは「ブランチバークリッジ」と呼ばれる枝と幹の間にあるシワ状の筋を残して切ること。

誤った方法で切ると、切り口から菌が入って花付きが悪くなるだけでなく、最悪の場合は木全体が枯れてしまう。

作業員はのこぎりを慎重に動かしながら、真剣な表情で枝を切り落としていた。

参加した工事関係者は「ただ切るだけでなく、保護するための切り方などがあることが勉強になった。春になるとサクラがとてもきれいで、その木を少しでも残せるように、工事でも努力していきたい」と話した。

また、指導にあたった樹木医の吉田豊史さんは「土木工事において樹木と出会う機会は非常に多い。道路の側溝工事や建設工事の一部で機械が木に接触することがあるので、そうした機会に今回の技術を応用してほしい」と語った。

桜並木がある区間の改修工事は10月から始まる予定で、すべての工事は2028年度に終える見通し。

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