2024年8月29日に鹿児島県に上陸し、日本列島に大きな爪痕を残した台風10号。宮崎市フェニックス自然動物園では台風接近に伴う強風の中、リスザルの赤ちゃんが誕生した。赤ちゃんを発見した飼育員は「風も強く、不安な中での出産になったと思います。 お母さんも赤ちゃんも良く頑張ってくれました」と動物園のX(旧Twitter)でエピソードが紹介されている。
台風や予期せぬ地震の発生など、災害時に求められる動物園の安全対策。来場者と動物の「命を守る」、飼育員の奮闘を紹介する。
地震発生時の動物園内は?
8月8日に日向灘で発生した地震により、日南市で震度6弱、宮崎市・都城市・串間市で震度5強の揺れを観測した。
この記事の画像(6枚)地震発生当時、宮崎市フェニックス自然動物園には家族連れなど約250人の来場者がいて、急遽、安全確保が求められた。
日向灘沿岸に津波注意報が発表される中、飼育員18人が動物舎の安全を確認しつつ、他部署のスタッフとともに手分けして避難を呼びかけ、高台へと誘導し、けが人は出なかった。
宮崎市フェニックス自然動物園 青木大治さん:
日頃から地震や火災などに備え、定期的に避難訓練も実施していますので、比較的スムーズに高台への避難誘導を終えることができました。
一方で動物たちの安全確保は…
台風接近に伴い、飼育員がミミナガヤギを屋内へ避難誘導した。
飼育員を追いかけるミミナガヤギ様子がXで話題に。
宮崎市フェニックス自然動物園 飼育員 福地善信さん:
飼育員の後を一生懸命追いかけて、安全な場所へ移動してくれました。移動した後は、エサの乾草もモリモリ食べてくれました。ちなみに、台風が去った後は、また飼育員の後を追いかけ、足取り軽やかに展示場まで移動してくれました。
7月25日に生まれたマンドリルの赤ちゃん(オス)の名前が「ヒナタ」に決定。 地震や台風を乗り越え、元気にスクスク成長。地震発生時は、寝室にいて騒ぐことなく落ち着いた様子だった。
1月に生まれたマサイキリンの「ヒマリ」(メス)にとっては初めての台風だった。雨風が強まる中、外を見つめていた。
宮崎市フェニックス自然動物園 飼育員 青木大治 さん:
台風10号の接近に伴い動物たちも不安な夜を過ごしましたと思います。動物園は3日間の休園となりました。普段外で過ごしている動物たちも、台風時は基本的に部屋で過ごすことになります。体調面への配慮からいつもと同じタイミングでエサを食べさせられるよう、台風が最接近する時間帯もスタッフが常駐いたしました。
台風の片付けも終わり、夕方の掃除をしていると… 虹が出ていました🌈 みんな元気だよ
宮崎市フェニックス動物園のXより
宮崎市フェニックス自然動物園 竹田正人園長:
今回の地震は久しぶりに大きかったですが、幸いなことに来園者の皆様にも動物や建物にも被害がありませんでした。また台風10号では事前の台風対策が功を奏し、地震同様に動物や建物への影響はありませんでした。地震や悪天候の中、不安を感じながらも市民のみなさんの財産である動物のために飼育作業や治療をしてくれた飼育員と獣医師に感謝しています。今後も来園者の方々の安全確保と動物たちの健康面に気を配りたいと思います。
地震や台風に備えると共に、愛らしい表情で来場者を出迎える動物たちの「命」を守るため、飼育員などスタッフの努力が続けられている。
(テレビ宮崎)
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