ちょっと汚れていたり、傷がついていたりすることもある、キャベツの一番外側の葉っぱ。

みなさんはどうしているだろうか?

店頭に並んでいるキャベツはすでに整えられていることから、自然と捨てている人も多いかもしれない。

キャベツの外側の葉を捨てるのはもったいない!(画像:イメージ)
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「キャベツの外側の葉っぱを捨てるのはもったいないですよ!キャベツやレタスや白菜といった葉物野菜で一番ビタミンCが豊富なのは、外側から3枚目までです」

こう力説するのは、『完全版 その調理、9割の栄養捨ててます!』(世界文化社)を監修した、東京慈恵会医科大学附属病院栄養部の濱裕宣さんと、赤石定典さん。

右から)東京慈恵会医科大学附属病院栄養部の濱裕宣さん、赤石定典さん

同書では、最新の栄養研究に基づき、42種の野菜、15種の果物、17種の魚介をはじめとした身近な食品の「栄養を無駄にしない食べ方」を網羅。

近年は野菜や果物の栄養自体が不足しているということもあり、食べていても栄養が取れていない“栄養負債”にもつながっている。

そんな中でも、覚えておくだけでずっと活用できる調理のポイントを教えてもらった。

ビタミンは種類で調理法を変える

濱さんと赤石さんによれば、日本人は全世代において13種ある“全て”のビタミンが足りていないという。

ビタミンは三大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)の代謝にかかわる栄養素。

カルシウムの働きを助けたり、免疫力をアップさせたりするビタミンD、筋肉を作るタンパク質の代謝を助けるビタミンB群など、それぞれ重要な働きをする。

「ビタミンは、種類に合わせた調理の仕方によって吸収率が変わります」(濱さん・赤石さん、以下同)

ビタミンには「水溶性ビタミン」と「脂溶性ビタミン」があり、それぞれ相性のいい調理方法があるという。

ビタミンの特性に合った方法で調理すれば効率よく取ることができる一方で、合わない方法で調理すると、せっかくのビタミンが無駄になってしまう場合もある。

水溶性ビタミンの特徴

水溶性ビタミンには次のものがある。

C、B1、B2、ナイアシン、B6、B12、葉酸、パントテン酸、ビオチン

特徴は次のとおりだ。

・水に溶けて流れるため、体内に蓄積できない。2、3時間で排出されてしまうため、毎食しっかり取る必要がある。
・ビタミンCは緑の葉物野菜に多い
・ビタミンB群は豆類に多い
・ゆで調理に弱い
・調理方法によって吸収率を増やすことができない

「水溶性ビタミンは、100あるものをいかに100に近い状態で取ることができるかがポイントです。調理方法は、サラダなど加熱しない料理がおすすめ。ゆでるとビタミンが流れてしまうので注意。また、脂質と一緒に取ると吸収が悪くなります」

なお、スープにするなら、下ゆでせずに一緒に煮込んでしまえば、水に溶けだしたビタミンCも取れるのでOKとのこと。

脂溶性ビタミンの特徴

脂溶性ビタミンには次のものがある。

A(β-カロテン)、D、E、K

特徴は次のとおりだ。

・体内に蓄積できる
・緑黄色野菜に多い
・加熱調理に強い
・油を使った調理で吸収率アップ

「脂溶性ビタミンの入った野菜は、炒め物にする、マヨネーズなどと一緒に食べる、揚げものと一緒に食べるなど、油と一緒に取ると吸収力がアップします」

野菜は切り方と捨てる部分を見直して

「栄養を無駄にしないためには、“切り方”も重要です」と濱さんと赤石さん。

たかが切り方ひとつで?と思うかもしれないが、その一つひとつにエビデンスがあるのだという。

同書で紹介している食品の中から3つを教えてもらった。

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