季節が変わると肌寒くなったり、蒸し暑くなったりする。そうすると、衣類を過ごしやすいものに替える“衣替え”をする人もいるだろう。
そこで心配なのが“虫食い”ではないだろうか。衣類を長期間、タンスやクローゼットなどにしまっていると虫に食われることがあるのだ。筆者も久しぶりに取り出した服に穴が開いているのを見つけ、ショックを受けた経験がある。
この虫食い対策に「防虫剤」を使う人もいるだろうが、あなたは正しく使えているだろうか。
防虫剤の「ムシューダ」を製造・販売する「エステー株式会社」が2021年に行った調査によると、約75%の家庭のクローゼットで防虫剤が正しく使われていなかったという。
衣替えの前に今一度、“防虫剤の使い方”を確認しておきたいが、どんなところがポイントになるのだろうか。エステー株式会社の防虫事業担当・髙野豪さんに教えてもらった。
食べこぼしは虫食いリスクがアップ
エステーのサイトでは、虫食いの原因となる「衣類を食べる虫(衣類害虫)」には、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ、イガ、コイガという代表的な4種類がいると紹介している。そしてこれらの幼虫のみが衣類を食べるという。
成虫は屋外を飛んでいるが、窓の隙間から入ってきたり、外出時の服にくっついたりなど、何らかの形で家の中に侵入し、洗濯物などの衣類に卵を産み付ける。この卵が幼虫になり、虫食いの被害が出てしまうのだ。
そんな幼虫は暗い場所を好み、気温15~25度、湿度60%以上で活発になる。服に穴がいくつも開いている、ひっかけた覚えはないのに穴があるなどの場合、虫食いの可能性を疑ってほしいという。
衣類害虫は植物性の繊維を食べるが、細くて柔らかい動物性の繊維である「ウール」や「カシミヤ」などは、栄養価が高いこともあり特に食べられやすいそうだ。タンパク質の汚れも栄養とするので、衣類に食べこぼしなどがついていると虫食いのリスクが高まるともいう。
さらには、ホコリ(繊維くず)も食べるため、衣類の収納場所は格好のすみかとなってしまうとのことだ。
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