愛媛県西条市の小学校で2022年、供給した訓練用の注射器の中に劇薬が入った本物が混じり、教師2人が練習で接種していたことが11日までに分かりました。2人に健康の被害はなく、本物の注射器は消防が誤って供給したとしています。

西条市消防本部によりますと、誤って供給されたのは自己注射薬の「エピペン」です。食物アレルギーなどの際のアナフィラキシーショックへの応急処置に使われ、強心作用や呼吸量の増加などを促します。

西条市内の小学校では、給食によるアナフィラキシーショックの発生に備え、2022年4月に教職員の練習のため、東消防署から針や薬剤がない訓練用の注射器20本を貸し出しを受けた中に、誤って本物の2本が混入。教職員が練習で使用した際、20代と50代の男性教師が本物を太ももに接種したとしています。

「エピペン」は皮膚に押し付けると針から薬剤が出る仕組み。2人に健康の異常はなく体内に入った薬剤は少量と見られています。

誤った供給の原因は担当者が不在だったため、別の職員が貸し出したためとしています。

消防は、再発防止のため職員の注意や申し送りの徹底などをしているということです。また当時この問題を公表しておらず、理由は「教師に異常が見られず学校などと協議して決めた」としています。

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