誰もが好きな「ディズニー」のキャラクターが、病気と闘う子供たちに明るさと勇気を届ける。
関西で初となるこの取り組みは、1人の医師の思いやりから始まった。
【動画】「ディズニー」キャラクターが病気と闘う子供に勇気を 不安抱える子供たちへの“思いやり”から始まった「こども病院」彩るプロジェクト
■手術を不安がる子供のために…ある麻酔科医の思い
この記事の画像(7枚)エレベーターを降りると、ミッキーとミニーがお出迎え。さらに、アナとエルサ、ウッディーとバズも…。
ディズニーのキャラクターが生き生きとした表情を見せてくれるこの場所は、神戸市にある「兵庫県立こども病院」だ。
重い病気やけがと闘う子供たちへ…。
以前は無地の壁紙だった病院内が、1人の医師の思いによって、彩り豊かな場所に生まれ変わろうとしていた。
ウォルト・ディズニー・ジャパン 久光真理子さん:ここにラプンツェルが入って、子供たちがエレベーターを降りてきた時に、わーっと(キャラクターが見える)。
兵庫県立こども病院 麻酔科医 末田彩さん:これがこっちですよね。かわいい。
ウォルト・ディズニー・ジャパン 久光真理子さん:エレベーターを降りたらニモとか…。
麻酔科医の末田 彩さんは、普段は手術室で働いている。そのため、ほとんどの子供と初めて対面するのは手術の直前、麻酔をかける時だ。
手術前の不安そうな子供たちばかり見てきたからこそ、「少しでも力になれないか」と思い続けてきた。
兵庫県立こども病院 麻酔科医 末田彩さん:手術前の不安って術後の疼痛(とうつう=痛み)とか興奮に関連しているといわれていて、術前の不安にどういう風に対応するかがすごく大事なんです。
その思いをかなえようと応じたのが、ディズニーの「こども病院支援」プロジェクトだった。
兵庫県立こども病院 麻酔科医 末田彩さん:病棟って何日も入院しますし、スタッフにも慣れてきたり、親御さんと一緒にいられる場所なのでだんだん慣れてくる。手術室は別のスタッフがいて、物理的にも場所が違うので、すごく緊張してやってくる子が多いのではないかと。そこにミッキーが…。
ウォルト・ディズニー・ジャパン 久光真理子さん:ディズニーが提供する物語とかキャラクターが、病気と闘う子供たちが最も必要としている時に、そばにいるような状態を作れるように。そういったことをお届けできればいいなと思ってやっています。
■ディズニーのぬいぐるみが入院生活の支えだった少女
この病院に通う12歳の寧彩(ねいろ)さんは、9カ月間の入院を経験し、何度も手術室で処置を受けた。
寧彩さん:最初にカテーテルを入れる時が一番怖かった。
寧彩さんの母:緊張していましたね。ずっと手を握って、こちらも緊張するけど、その緊張が伝わったら余計に不安になると思いながらも震えていたと思います。
寧彩さん:はさみとかばっかりでちょっと怖かった…。
そんな入院生活を支えたのが、自宅から持ち込んだディズニーのぬいぐるみ。
寧彩さんの母:いっぱい持ってきすぎて、『ベッドには3つ(まで)と決まってます』となって、連れて帰りますとなった時もあったね。(ぬいぐるみがあると)安心した?
寧彩さん:うん。
退院した今でも定期的な検査が欠かせない寧彩さんは、ディズニーのキャラクターたちに支えられながら闘病生活を送っている。
そんなディズニーの力を存分に発揮すべく、こども病院の手術室や待合室で、子供たちに勇気を届けようというプロジェクトが始まったのだ。
ウォルト・ディズニー・ジャパン 久光真理子さん:手術室があるのは一番長い廊下。あそこが一番長いところで、うちのデザイナーが、手術に向かう子供たちをキャラクターが応援しているみたいなものを、何とかして作りたかった。今回提供する中で、アプリと連動しているんですね。お子さんたちが壁紙にスマホをかざすとキャラクターの動画が動くという。
兵庫県立こども病院 麻酔科医 末田彩さん:(スマホかざしながら)すご~い!
大人も笑顔にする、ディズニーの魅力。
兵庫県立こども病院 看護師:私たちも『よくここまでがんばったね』というんですが、言葉よりも目に入った方が伝わりやすいので。
廊下で末田さんと久光さんが、真剣な様子で話し合っていた。
兵庫県立こども病院 麻酔科医 末田彩さん:(手術室では)ベッドの上に寝ている子が多い。歩いている子がいないわけじゃないんですけど。そんな調整はできるんですか?
ウォルト・ディズニー・ジャパン 久光真理子さん:できると思う。
子供の目線の高さに合わせてキャラクターを配置する調整が、最後まで進められていたのだ。
そして、ついに院内がカラフルなキャラクターたちで彩られた。一気ににぎやかになったその風景に、思わず笑みがこぼれる末田さん。
兵庫県立こども病院 麻酔科医 末田彩さん:見ました?すごい…いつ子供を(ここに)連れてこようかなと。
いよいよお披露目。子供たちも興味津々!
寧彩さん:前と全然違う。かわいい。
スマホを手に、明るい笑顔を見せていた。入院中の子供たちも、うれしそうにキャラクターを見つめている。
入院中の子供:めっちゃかわいい。(Q.がんばれる?)うん。
ディズニーのキャラクターたちが、病気と闘う子供たちをそっと見守ってくれる。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年10月8日放送)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。