人間と同様、ペットの犬も高齢化が進んでいる。一般社団法人「ペットフード協会」の2023年の全国犬猫飼育実態調査によると、一般家庭で飼育された犬の平均寿命は14・62歳。調査を開始した10年の13・87歳と比べると0・75歳延びている。
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ペットフード協会によると、犬の平均寿命が延びている背景には、室内飼育が増加していることや、ペットフードや獣医療の発展があるという。
動物病院「日本動物医療センターグループ本院」(東京都渋谷区)の福島彰子獣医師によると、犬種やサイズによって異なるが、犬は最初の数年で急速に成長し、その後は1年で人間換算にして4~7歳ほど年を取っていくとされる。一般的に、小型犬は10~12歳以上、中型犬は8~10歳以上、大型犬は6~8歳以上で老犬だ。
犬も高齢になると、体重に変化が見られ、毛の色が薄くなるなど、見た目の変化が表れるほか、立ち上がって歩くことが難しくなったり、トイレを失敗したりと体の機能が衰え、介護が必要になることもある。認知機能の低下により、生活リズムが変化し、興味や意欲が衰えることもあるという。
福島獣医師は「症状は犬によってさまざま。家族だけが気づく変化が、加齢による症状の一つかもしれない。病気の症状の可能性もあるため、気になる場合は病院に相談してほしい」としている。
動物保護施設での勤務経験があり、老犬のデイサービスを無料で提供する一般社団法人「はまじぃの家」(兵庫県川西市)の加賀爪啓子代表(48)は「老犬は昼夜逆転してしまっているケースも多く、世話が本当に大変」と語る。保護施設勤務時代には、「介護に疲れてしまって飼えない」といった相談を受けることも多かったという。【宮島麻実】
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