衆議院選挙を前にお伝えしている「私たちの一票で変わる未来」。重要な争点のひとつ、「子育て」に注目します。少子化対策の原点ともいえるのが子供を産みたくなる環境づくりです。今日は、子供を産んだ直後の産後ケアを考えます。
宮崎市の藤田助産院です。助産歴36年、助産師の藤田美和さんは産後のお母さんの心と体を整える「産後ケア」の重要性を訴えてきました。
(助産師 藤田美和さん)
「必ずいい方向にいくというのを確信できるんですよ。最初の頃に向き合っていると。」
出産でダメージを受けた体で、産後すぐに始まる睡眠不足と子育ての不安。孤立してしまいがちなお母さんの不安を少しでも取り除くことで、子育てのイメージは大きく変わっていきます。
「じゃあ私ふりかけ作ります」
「おだんご作ってくれる人〜」
「じゃあ」
この日は授乳に適した食材を使った料理教室。産前産後、様々なお母さんが集まって出産を通したコミュニケーションが生まれています。
(参加者)
「いい食事を、そのまま離乳食で使えそうな食事をここで教えてもらっているので、すごく助かっています。料理教室、楽しいです。先生どっしり構えていて、いつもニコニコしていてあったかいから、ここは私のよりどころです。」
(おんぶを教えてもらう様子)
もう少し上で・・
「おっけー」
ほら落ち着いた〜
(2人のママのやりとり)
「何も考えなければ3人ぐらいほしいと思うんですよ。」
「大変さを考えたらいろいろ考えなければですよ。」
「一番最初の赤ちゃんと、どれだけ子どもと向き合えたかで、ちょっと大変な時期もあるんだけど、頭もぼーっとしている中、メンタルも落ちたりもあるけど、これは今だけだよ。」
今を乗り越えたら、本来これでいいんだ、というのが分かってくる産後ケアは、出産直後の母子の心身のケアや子育てのサポートを行う国の事業で、県内のすべての市町村で制度が始まっています。
(助産師 藤田美和さん)
「ここ1,2年くらいはちょっと広まってきたかな。こういうことをやっているというのが広がってきている。」
宮崎市の事業では、お母さんの休息や授乳支援を目的に1泊2日やショートステイ、6時間のデイサービスなど状況にあわせて選択できます。
(産後ケア体験者) ※約2か月前に1泊2日を経験
「自宅でなんとか頑張ると思ってやっていたんですけど、限界がきてしまって、栄養たっぷりの食事を用意していただいて、夜がくるのが怖いというのがあったので、泣いたらすぐにかけつけてくれて、新生児の子育ては眠れない、子供が泣き続けるなど想像を超えたハードなもので、産後のお母さんの孤立を生んでしまいます。」
「身体が戻っていない間からいきなり24時間の育児って、こんなに休まらないんだってびっくりしました。」
「一人じゃきつかった、乗り越えられなかった。すっごいほっとしました、藤田さんに会えて。心の面もケアしていただいて、泣いていても20分くらいすれば必ず泣き止むからって言われたのが今でも覚えていて。」
産後ケアを利用するには申請、審査と手続きが必要です。藤田さんは、産後ケアが子育ての原点であり、今まさに制度が必要な人に届いているのか、母子に寄り添う仕組みづくりが第二子、第三子につながるのではと話します。
(助産師 藤田美和さん)
「この母子の関係をよくするように、伴走者ですよね。私たち助産師など、一緒に、共に子育てしてくれる伴走者をきちんと確保して、そこがうまくいくと、あとはお母さんたちは自分でちゃんと解決してくれる力もできてくるし、乗り越えていくこともできていくと思います。」
「子育てってすごく貴重なんだよって、自分も成長してもらえるし、育てていていいものをもらえるしすごくよかったよというのをどんどん伝えてほしい。それを伝えないと、子どもを産もうと思わないんだなと。」
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。