対岸の火事」ではいられない。相次ぐ強盗事件では闇バイトの関与も指摘され、関西がいつ狙われてもおかしくない状況となっている。

有効な対策は?もし不審な人が侵入してきたら?身を守るための方法を緊急取材した。

街の人 (60代):人がいてもガラス割って入ってくるから怖いですよね。これが大阪の方でとなると心配になりますよね。

街の人 (70代):ああいう風にね、複数で来られたら一発やわ。無理。

関西の人たちが不安を口にするのは、関東各地で起きている強盗事件。

■「どこで起きてもおかしくない犯行形態」と元刑事は指摘

「どこで起きてもおかしくない犯行形態」
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10月16日未明、千葉県白井市で複数の男が母親(70代)と娘(40代)が住む家に押し入り、手を縛ったうえ、現金およそ20万円と車を奪って逃走。

同じ日に横浜市青葉区の住宅で後藤寛治さん(75)が殺害され、現金およそ20万円を奪われた。後藤さんの死因は全身打撲による出血死で、鈍器のようなもので殴られた可能性があるということだ。

さらに17日も、千葉県市川市の住宅で現金や車が奪われ、50代の娘が監禁される事件が発生。

ことし8月から関東各地で強盗事件が相次いで発生していて、実行役はいわゆる「闇バイト」で集められたとみられる。

被害は関東だけにとどまらない可能性も。5日には札幌市でも70代の男性が粘着テープで縛られる似た手口の強盗事件が起きている。

この状況に元埼玉県警捜査一課の刑事は… 。

元埼玉県警捜査一課 佐々木成三さん:今これはどこで起きてもおかしくない犯行形態だと思います。『闇バイト』という中では、関西でも行くような実行犯がいれば、起きてもいてもおかしくはないなと。今一度この関東起きてるのが、関西で起きるかもしれないという中で、防犯意識を高めてもらう。

■多くの人は「どう対策したらいいのかわからない」

「まず何したらいいの?」

関西でも今後起きうる強盗事件。街の人はどんな対策をしているのだろうか。

Q.防犯対策はしていますか?

街の人 20代:ないな。鍵を閉めるぐらいです、ちゃんと。オートロックなんで大丈夫なのかなみたいなのはありますね。

街の人 60代:うちはダミーやけど防犯カメラつけてるから。それとあとLEDのライトいっぱいつけてる。玄関周りずっとつけてる。それでも入ってきたら犬もいるし。

街の人 20代:セコム家ついてて。セコムベッドの上にあるので場所把握して押そうかなと思います。

街の人 20代:まず何したらいいの?

街の人 20代:何分で来てくれるかちゃう?

取材すると多くの人から聞かれたのが「どう対策したらいいのかわからない」という声だ。

■セキュリティサービスの会社には問い合わせ急増

「万が一犯人と対面してしまったら、すぐ家の外に」

『防犯のプロ』セキュリティサービスの会社には、今、問い合わせが急増しているとのこと。

ALSOK(綜合警備保障) 斉藤弘樹さん:1日の問い合わせ件数は、今月15日と16日を比べると、(強盗事件があった)16日以降は5倍ほど問い合わせが増えております。

すぐできる対策には、どんなことがあるのだろうか?

ALSOK(綜合警備保障) 斉藤弘樹さん:家の侵入の6割が窓からになります。補助錠が第二の鍵となりまして、侵入の時間を大幅に遅らせる。

まずは窓に取り付ける「補助錠」。鍵が2ヵ所につくため、ガラスの破壊に時間がかかる効果が期待できる。

そして防犯カメラも。

ALSOK(綜合警備保障) 斉藤弘樹さん:配線不要のカメラとなっておりまして、屋内や軒下の屋外にも設置できるカメラ。

この防犯カメラは、人の動きを検知したら録画を開始。録画が始まるとスマホアプリで通知され、自宅への「駆けつけ」を依頼することもできる。

そして、もし自宅にいるとき不審者の侵入に気付いたら… 。

ALSOK(綜合警備保障) 赤阪妃凜子さん:万が一、犯人と対面してしまった場合には、すぐに家の外に出るということが一番大切です。 自分の家から出て行ってもらいたい心理が働いて、追い出そうとする方多いのですが、戦うというのは非常に危険な行為になりますので、ご自身の身(の安全)を一番に考えて、犯人と接触をしないようにするということがすごく重要になります。

■「強盗対策、まず『入らせない』ことが大事」

穴が開かない「防犯ガラス」

大手警備会社「セコム」が、東京から関西テレビに持ってきたのは、強い衝撃を与えても貫通しにくいという日本初の『防犯ガラス』。

セコム株式会社 特品部 増田準次担当課長:強盗対策としては、まず『入らせない』ことが大事だと思います。これには窓ガラスを強化することが重要かと思っています。

パッと見た感じは、普通のガラスと変わりないが、一体どんなモノなのか。「普通のガラス」と「防犯ガラス」の違いをハンマーを使って見せてもらう。

まずは「普通のガラス」。ハンマーでたたくと、いとも簡単に割れてしまい、大きな穴が開いている。

一方で、衝撃に強い「防犯ガラス」。ハンマーでたたいても、ガラスの破片は飛び散るものの、貫通はしていない。スタッフがハンマーで20回ほどたたいたが、穴は開いていなかった。

秘密は、普通のガラス2枚の間に、「特殊な樹脂製の膜」が挟まっていて、貫通しにくいということだ。

警察庁によると、一戸建て住宅の侵入手段として3割以上を占めるのが「ガラス破り」。防犯カメラなど付けても死角となった場所から入られるケースもあり、いかに侵入を防ぐかが重要だという。

しかし、万が一、侵入された場合、どう対策すれば良いのか?セコムにも聞いてみた。

セコム株式会社 特品部 増田準次担当課長:(常に)手元に携帯電話を置いて、外に通報する。警備システムを入れているのであれば、非常ボタンを手元や枕元に置いていただく。

ちなみに、どれくらいで駆けつけてくれるのでしょうか?

セコム株式会社 特品部 増田準次担当課長:われわれは15分以内を目指して頑張っております。

自分や身近な人の命を守るため、事前の防犯対策が大切だ。

■「防犯ガラス」は「反発されるような感覚があり、何度叩いても割れる気しない」

秦キャスターが実演

「防犯ガラス」の強度をスタジオでも確認してみる。

大学時代は空手部に所属し、黒帯を持つ秦キャスターが実演。

力を込めて、ハンマーで強く何度も叩いてみたが、ヒビは入るものの、割れることはなかった。

実際に叩いた秦キャスターは「反発されるような感覚があり、何度叩いても割れる気がしません」と、その強度に驚いた様子。

窓は進入路となりやすいため、こうしたガラスの強度を高めるなどの対策と共に、自身の防犯意識を高めることも大切だ。

■過去の強盗事件では身元を偽る電話・訪問など「不審な予兆」があった

業者を装う訪問や不審な電話にも警戒を

これまでの強盗事件では、“不審な予兆”があったといわれている。

例えば、リフォームや工事業者を装った不審な訪問。そして、いわゆる「アポ電」と呼ばれる、家族のふりをするなど身元を偽った電話がかかってきたことについては、全国で13万件以上の届け出があったという。

実際に家に訪れ、どれくらいお金がありそうか暮らしぶりを見たり、何人で暮らしているのかなど、事前の“下調べ”を行うのだ。不審な電話や訪問などに対し、個人情報を迂闊に話してしまうと、その情報を元に犯行におよぶ可能性がある。

犯罪の手口もどんどん進化している。個人情報を守ることや自宅への侵入を防ぐこと、そして“疑う”心を持つことも重要だ。

「自分の家は大丈夫」と思わず、鍵を2つつけるなど、できる範囲で対策を行ってほしい。

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