特集はキノコ採りです。山のキノコは、10月に入って一気に生え始め、今が最盛期です。名人のキノコ採りに同行させてもらいキノコをふんだんに使った料理も紹介してもらいました。

キノコを採って30年の「名人」赤池健さん(72)。長野市で飲食店を経営していて店で出すキノコや山菜は自ら山に入って調達しています。キノコの状況を知ろうと戸隠地域の山に連れていってもらいました。

すると、すぐにー。

キノコ採り歴30年の“名人”・赤池健さん:
「はい、こちらですね。みんな同じキノコですけど、ハツタケという、味は一級品のキノコです」

最初に見つけたのは「ハツタケ」。

記者:
「ハツタケ、採れました」

赤池健さん:
「裏が特徴なので、裏も見せてください」

記者:
「すごい、不気味な」

かさの裏を触るとだんだんと青緑に変色していきますが味は確かで、焼いて食べるとおいしいそうです。

山の中を進むとー。

赤池健さん:
「この辺いいですね。これアミハナイグチっていう」

「アミハナイグチ」は9月によくとれるキノコ。その見た目から、キノコ採りの好きな人の間ではー。

赤池健さん:
「『カステラ』って呼んでる人もいます。この(キノコの)感じがカステラの表面によく似てるんですよ。おいしいキノコですよ」

さらにー。

赤池健さん:
「次はジコボウですね。ハナイグチ」

「ジコボウ」の名でも知られる「ハナイグチ」。赤茶色のかさで見つけやすく、人気のキノコの一つです。

赤池健さん:
「味も万人受けにおいしいですし、キノコ採りの対象としては誰でも間違わないで採れるので楽しい」

続々と見つかるキノコ。実はたくさん出てきたのは最近になってからです。

赤池健さん:
「9月は皆さん、やきもきしてましたね、なかなか出るキノコが出なくて。10月に入って、ちょうど雨が降って気温が下がってきて、条件が整ってきたので、一気に出てきた。これからの様子を見ないとわからないけど、豊作の予感、期待を込めて」

9月は猛暑と少雨の影響であまり出ていませんでしたが、10月に入ってから一気に姿を見せ始めました。

下ばかりを見がちになるキノコ採り。気を付けたいのは、「遭難」です。県内では9月末からキノコ採りの遭難が相次ぎ、これまでに4人が死亡、2人が行方不明となっています。

キノコ採りに夢中になって方角やルートを見失ってしまったり、急斜面で滑落したりするケースも。警察は「携帯電話やヘッドライトを持っていくこと」「複数人で、声が届く範囲で行動すること」などを呼びかけています。

名人の赤池さんもアドバイスー。

赤池健さん:
「おうちの方に出るとき、行き場所をはっきり伝えておくっていうのも大事。道を迷ったなと思ったら、来た道を引き返せ。一見遠回りかもしれませんけど、鉄則」

もちろん、クマ避けの鈴も「マストアイテム」です。

さて、その後も山を歩いていると、白い柄のキノコを発見。

赤池健さん:
「オオツガタケというキノコ」

例年10月になると出てくるという「オオツガタケ」。肉厚で食べ応えがあり、どの料理にも合うそうですが、赤池さんのおすすめは。

赤池健さん:
「一回これを焼いて食べたらとりこになっちゃいます」

この日は、他にかさの裏が網状になっている「アミタケ」や、ぬめりが特徴の「ヌメリイグチ」などおよそ2時間で6種類のキノコが採れました。

赤池健さん:
「いやーもう本当に童心に帰っちゃいます。キノコ自体の魅力が一番大きいことは間違いないんですけど、いい空気を吸って、いい緑に親しみ、そういう美しい自然、もうすべてが五感に響いて幸せな気分になる」

採れたキノコを特別に赤池さんの店で、この時期、提供しているキノコ料理にしてもらいました。(※キノコの種類や数は、時期によって異なる)

「ハナイグチ」や「ヌメリイグチ」など9種のキノコと、鴨肉を加えて煮込んだ鍋。きのこ鴨鍋。

(記者リポート)
「鍋にキノコと鴨のうま味がぐっと溶け出していて、とてもおいしいです。少し寒くなったこれからの時期にもぴったりです」

こちらは赤池さんおすすめのオオツガタケの入った3種の焼きもの。

オオツガタケはー

(記者リポート)
「香りがすごいです。シャキシャキとした食感で、かむたびに口の中にうま味が広がってきて、とてもおいしいです」

他にもキノコをふんだんに使ったメニューを提供中です。

いもなますとアミタケのずんだ和え。

秋の味覚の盛り合わせ。

長野市近辺のキノコ採りは今が最盛期ですが11月いっぱいまでは楽しめるそうです。

やま茶屋・赤池健さん:
「長野の山の幸、その豊かさ。いろんな種類、それも本当においしいキノコがたくさんあるということをまずは知ってもらい、長野に住んでいるのが幸せなことなんだなと実感していただきながら、味も味わっていただければ」

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