暖かい春の陽気に動物たちも活発になっているのか、新潟県内で国の特別天然記念物・ニホンカモシカの目撃情報が相次いでいる。山沿いだけでなく、市街地にも出没したというカモシカ。見かけたときの注意点とは…
国の特別天然記念物“ニホンカモシカ”出没
「あれ、どうしよう」「ヤギだ!ヤギだよ。これ」
新発田市で4月13日に撮影された映像には、一見ヤギにも見える動物が映っていた。
この記事の画像(9枚)この動物は国の特別天然記念物に指定されているニホンカモシカだ。動画に映っていたカモシカは近くの山から2~3kmほど離れた場所で目撃された。
娘が動画を撮影したという男性は「カモシカが孫のほうを振り向いて見合っている感じ。物珍しい。ビデオに声が入っているが、孫はヤギだと思っている。かわいらしいよね、あの状況を見ると」
傷つけたり捕獲すると100万円以下の罰金も…
カモシカはこの日、山あいの集落へと向かったというが、この翌日には約4km離れた場所で再び目撃情報が寄せられ、警察や市の職員などが山へ誘導するため、約4時間にわたってカモシカの足取りを追ったという。
当時、現場にいた新発田市教育委員会・文化行政課の杉山隆課長補佐は「ケガはないかなとか、毛並みはどうかなとか、元気かなとか、そういう目で見ていた」と話す。
なんともかわいらしいカモシカだが、国の天然記念物に指定されているため、傷つけたり、捕獲した場合、文化財保護法違反となり、100万円以下の罰金などが科されることがある。
救出作業に難航も…見つけたら「そっと見守って」
新発田市では2023年夏にも水路にカモシカの子どもが転落し、救出作業が難航する事態も起きていた。
この時も直接捕獲できず、1カ月が経過。市の職員が水路の階段にカモシカの子どもを促す救出作戦を実行するも、山に帰ったのは作戦開始から3日目のことだった。
それでも、市はカモシカを見つけた場合は「そっと見守ってほしい」と呼びかける。
「カモシカは基本的にはおとなしい性格をしているので、人に危害を加える生き物ではない。基本的に山へ帰る帰巣本能を持っている」
市街地でもカモシカ目撃情報
一方で、十日町市の市街地でもカモシカの目撃情報があった。十日町市によると、山沿いではなく市街地でカモシカを見かけるのは珍しいことだという。
県内で相次ぐカモシカの目撃情報…万が一見かけた場合には近寄ったり刺激したりせず、見守ることが重要だ。
(NST新潟総合テレビ)
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