新年度に入って約1か月。ようやく新生活に慣れてきた人も多いかと思いますが、一方で、環境が変わると知らず知らずのうちにストレスがたまっていたりするものです。そんな日常生活におけるストレスを解消するための生理現象の一部として、歯ぎしり・食いしばりが起こると考えられています。歯ぎしりが起こるメカニズムや改善方法を専門医に聞きました。
 
街頭インタビュー:
「歯医者さんに結構強くかんでる傾向があるといわれた。ちょっと痛い」
「噛んで力が入ってる」
「家族がちょっとその傾向がある。噛みすぎちゃうのか、顎が痛くなるので病院で治療を受けた」
    
多くの人が抱える口の中の問題の一つ「歯ぎしり」。歯の専門医、福井赤十字病院の
山田和人先生に聞きました。
  
福井赤十字病院・山田和人先生:
「歯と歯が噛みあう状態が、いわゆる歯ぎしり。夜寝るときにギリギリギリと音がする。寝ている時に勝手に動く歯ぎしりと、起きてる時に食いしばってしまう歯ぎしりの二つがある」
  
では、なぜ歯ぎしりは起きるのでしょうか?原因の一つとして考えられているのが、
不安や憂鬱な気持ちなど日常生活において抱えるストレス、それを発散するため歯ぎしりという症状を起こすといいます。歯ぎしりは、歯へ様々な悪影響を引き起こします。
  
福井赤十字病院・山田和人先生:
「歯が削れる、歯が折れる、被せているものが割れてしまう、取れるなどが起こる。それとは別に、顎関節症とか、痛みが持続的に起こると言われています」
   
放っておくと、歯の健康だけなく身体の健康にも影響を及ぼします。歯ぎしりは、他の病気と併発する場合もあるといいます。
  
福井赤十字病院・山田和人先生:
「最近の論文では逆流性食道炎がある。食道から酸が上がってくるのを、歯ぎしりのように噛むことによって飲みこむ場合、歯と歯が合っていないと飲み込めない。逆流性食道炎を治療することによって歯ぎしりが治まったという報告もある」
  
ただ、歯ぎしりは寝ている時に無意識に行っていることが多く、自覚が難しいといいます。そこで大切なのは、日頃から歯をチェックすることです。
 
福井赤十字病院・山田和人先生:
「まずは、歯が折れてる場合や、歯の痛みや顎の痛みがある場合、歯ぎしりの可能性がある。ただ本当に歯ぎしりなのか、ただ単に別の要因で起こっているのかは区別がつかないと思うので、歯医者に行って一回みてもらうのが一番いい」
  
では、どういった治療法があるのでしょうか。
  
福井赤十字病院・山田和人先生:
「完全に生理的なものをなくすのは不可能なので、歯科的に言えば『スプリント(マウスピース)』。(付けても)ほんとは歯ぎしりをしているが、ほとんど音がしなくなり、歯も削れない。スプリントをするだけでだいぶ多くの方が治まってくる」

症状を自覚するのが難しい歯ぎしりですが、放置すると様々な身体の不調に繋がります。普段の歯磨きに加えて日頃から歯の状態をチェックするのが大切です。原因や症状を知ることで健康な歯を守りましょう。    

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