イギリスを公式訪問されている天皇皇后両陛下は日本時間26日午前4時半過ぎ、バッキンガム宮殿で開かれたチャールズ国王夫妻主催の晩餐会に出席された。天皇陛下は、最も格式の高い礼装である、燕尾服に、白の蝶ネクタイ。さらに、チャールズ国王から贈られた、イギリス最高位の「ガーター勲章」を着用された。皇后の雅子さまは、レース地のイブニングドレスに、ティアラ姿だった。

チャールズ国王「英国に、お帰りなさい」

天皇皇后両陛下が出席された晩餐会の始まりを告げるスピーチでは、チャールズ国王が、日本語で、こう語りかけた。

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チャールズ国王:
英国に、お帰りなさい。

この言葉に、笑みを浮かべられた陛下。この後、陛下は、英語でスピーチされた。

陛下:
このたびは、私と皇后を、国賓としてお招きくださり、心から御礼申し上げます。

ウィリアム皇太子に出迎えられた両陛下

この晩餐会の約9時間前、日本時間25日午後8時頃、両陛下は、ロンドンでウィリアム皇太子の出迎えを受けられた。

陛下:
お会いできて光栄です。
ウィリアム皇太子:
私もです。おかえりなさい。お二人ともよくご存じの地です。

ウィリアム皇太子からかけられたのは、「お帰りなさい」の言葉。かつて、オックスフォード大学に留学し、イギリスで生活されていたことで会話が弾んだ。

ウィリアム皇太子:
お二人は同じ時期にオックスフォードで学ばれたのですか?
陛下:
いいえ、時期は違います。
雅子さま:
私より5年前です。
陛下:
彼女はベリオール・コレッジで、私がマートン・コレッジでした。

ウィリアム皇太子:
楽しかったですか?
陛下:
とても楽しかったです。

ホテルの外に待ち構えてい聴衆に並んで手を振り応えられた両陛下

その後、揃ってホテルの外に出られると、周囲に詰めかけていた聴衆から、「陛下~! 陛下~! 雅子さま~!」という歓迎の声が飛び交い、お二人は並んで手を振り応えられた。

歓迎式典会場では「君が代」「さくらさくら」が演奏される

日本時間25日午後8時半頃、両陛下は、歓迎行事の会場「ホース・ガーズ」に到着された。

両陛下は車から降りて夫妻と握手を交わした

会場では、チャールズ国王夫妻が出迎えられ、両陛下は車から降りて夫妻と握手を交わした。

そして始まった歓迎式典では日本の国歌「君が代」が演奏され、さらに「さくらさくら」が流れる中、陛下はチャールズ国王と親しく会話される様子も見られた。

馬アレルギーのため白いマスクを着用された雅子さまは、カミラ王妃と馬車に乗り込まれた

その後、チャールズ国王とともに、儀仗隊(ぎじょうたい)を閲兵された陛下は式典後、チャールズ国王と、馬アレルギーのため、白いマスクを着用された雅子さまは、カミラ王妃と、馬車に乗り込まれた。

両国の国旗が掲げられた並木道「ザ・マル」を通り、バッキンガム宮殿まで、パレードされた両陛下。

その様子を一目見ようと、沿道には大勢の市民が詰めかけ、中には、塀にのぼって見ている人たちの姿もあった。

両陛下は、多くの聴衆がいる沿道に向け、笑顔で手を振られていた。

手作りの旗を持ち、パレードを見ていたロンドン在住の日本人女性は、「ちょっと感極まって、涙が出てきた。雅子さまはマスクをされていたんですが、こうやって手を振っていただいて」と涙を見せた。

赤ちゃんと一緒に見に来ていた女性は、「生きている間に一度、お目にかかりたかったので、イギリスのロイヤルファミリーも見られたので、よかったです」と感激した様子だった。

バッキンガム宮殿に到着された両陛下は、チャールズ国王夫妻とのプライベートな昼食会で交流を深めた後、宮殿内の「ギャラリー」を案内される。

その後、両陛下が足を運ばれたのは、ウェストミンスター寺院。
車から降り10秒以上立ち止まり、沿道に笑顔で手を振られた両陛下。

この寺院では、第一次世界大戦で命を落とした「無名戦士の墓」に、花を手向けられた。

お言葉を全て英語で述べられた陛下

そして、日本時間26日午前4時前。

ティアラをお召しになったドレス姿に着替えられていた雅子さま

両陛下がホテルから出てこられ、にこやかな笑顔で沿道に手を振られた。雅子さまはティアラをお召しになったドレス姿に着替えられていた。

沿道から「天皇陛下~ 雅子さま~」という声が大きく響く中、車に乗っても窓を開け、声援に応えられていた。

そして、午前4時半過ぎ。
チャールズ国王夫妻がバッキンガム宮殿で主催する晩さん会に出席された。

チャールズ国王のスピーチは「英国に、お帰りなさい」という日本語で始まった。

日本語での“おもてなし”に、笑顔を見せられた陛下。カミラ王妃の隣に座る雅子さまも、笑みを浮かべられていた。

スピーチでは、イギリスでも人気のキャラクターに触れる場面もあった。

チャールズ国王は「ハローキティの誕生日を、ぜひお祝いしたいと思います(陛下は笑みを浮かべられる)」とイギリス生まれという設定の「ハローキティ」やフィッシングの話題の流れでゲームにも言及した。

また、「あのポケモンの名セリフ、「全部ゲットだぜ!」は、私の孫たちにはぴったりくるかもしれません」とも述べ、日本発の人気ゲーム「ポケットモンスター」の話題を取り上げ、会場の笑いを誘ったチャールズ国王。

そのスピーチの最後には、こんな場面もあった。

「これからの日英関係の、新たな400年のために、乾杯を捧げます。カンパイ!」

スピーチの流れそのままに、チャールズ国王は、一人でカンパイ。準備をする時間がなかった陛下は、苦笑いを浮かべられた。

会場で「君が代」が演奏されたあと、改めて、グラスを合わせた陛下と国王。

続けて、あいさつに立たれた陛下は、全て英語でお言葉を述べられた。

「このたびは、私と皇后を、国賓としてお招きくださり、心から御礼申し上げます」とした約14分に及んだ陛下のお言葉は、祖父の昭和天皇や、父・上皇さまに触れられる場面もあった。

「日英両国には、友好関係が損なわれた、悲しむべき時期がありましたが、苦難の時を経た後に、私の祖父や父が、女王陛下にお招きいただき、天皇としてこの地を訪れた際の想いが、いかばかりであったかと感慨深く思います。そして、計り知れぬ努力をもって、両国の未来の友好のために力を尽くしてこられた人々に、皇后と共に深い敬意と感謝の念を表します」とスピーチした陛下。

終始、和やかな雰囲気の中で行われた晩餐会だった。
(「イット!」 6月26日放送より)

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