7月16日の静岡県は、未明に記録的な大雨となりました。その要因・今後の見通しについて、小塚恵理子 気象予報士の解説です。
静岡県付近で風がぶつかり雨雲発達
小塚恵理子 気象予報士：
雨の要因を見ていきます。16日の天気図に長く連なるのが梅雨前線となります。ちょうど静岡県にかかっていました。
前線に向かって、南からは暖かく湿った空気が流れ込んでる一方で、北側では東よりの風が吹いてちょうど静岡県付近で風がぶつかっていました。
ここで雨雲が急発達したと思われます。
風がぶつかる予想は15日の時点であったのですが、そのぶつかり方が予想以上であったと思われます。
磐田は7月の観測史上最大の雨量
小塚恵理子 気象予報士：
続いて、雨の降り方をレーダーで振り返ります。日付が変わった7月16日午前0時からの動きです。
南からの風と東からの風がぶつかって雨雲が急発達したものと思われます。
同じ方向に流れ続けて、磐田から掛川にかけて、強い降り方が続いたのがわかります。
磐田は1時間に77ミリ、掛川は56.5ミリの非常に激しい雨となりました。磐田は7月の観測史上最大です。
この活発な雨雲はしだいに東へと動いていきました。
予想以上の雨の降り方で土砂災害も
小塚恵理子 気象予報士：
この雨に伴って、土砂災害の危険度も高まっていきました。続いて、気象庁のキキクルです。
黄色の注意のエリアが、掛川・袋井・菊川に広がります。掛川では一部、赤の警戒から紫の危険に変わっています。
午前4時30分頃、黄色の注意となっていた掛川市千羽地区で土砂崩れが発生しました。
午前4時38分には、上土方地区で土砂災害発生の危険が高まったとして緊急安全確保が発表されました。
予想以上の雨の降り方によってはキキクルで注意となっている所でも土砂災害が発生してしまうことがあるというのが16日の事例となります。
ハザードマップで確認しておくことが必要になります。
小塚恵理子 気象予報士：
掛川市のハザードマップで土砂崩れのあった場所を見てみると、急傾斜地の崩落の警戒区域になっていました。
そしてその周辺は特別警戒区域となっていました。土砂崩れの危険性がある地域ではあったということです。
自分の住むところの特性、危険性を事前に知っておくことが大切です。
雨の降り方がによっては、ひょっとしたら土砂崩れが起こってしまうかもしれないと警戒を高める必要もあります。
17日の明け方まで雨は続く見通し
小塚恵理子 気象予報士：
では、この雨が今後どうなっていくのか見ていきます。17日の明け方にかけて続いていきそうです。
広い範囲で雨が予想されていますが、降ったりやんだりのかたちとなりそうです。場所によっては雷を伴って激しく降るところがまだありそうです。
大雨となった所ではわずかな雨でも危険度が高まりますので、この後も警戒を続けるようにしてください。
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