アルバイト探しは「タイパ」重視。SNS(ネット交流サービス)を活用するが、リスクの認識は浅い――。
就職情報サイトを運営するマイナビ(東京都)のインターネット調査で、高校生たちのそんなバイト事情の一端が浮かび上がった。
自由な時間が増える夏休みシーズン。「闇バイト」などのトラブルに巻き込まれないために、安易な仕事探しには注意が必要だ。
SNS、効率性にメリット
マイナビが2月に実施したアルバイト就業者調査(2024年)から高校生のデータを抽出し、「高校生のアルバイト調査」としてまとめて公表した(就業者651人、非就業者218人)。
調査によると、アルバイトをしている高校生のうちSNSで直接アルバイトを探した経験があるのは46・6%。そして、36・7%にはSNSで実際に応募した経験があった。
バイト先を決めた要因(複数回答)の最多は「応募後にすぐに企業から連絡がきた」で、回答者の約4割が選んだ。「応募から面接までの案内が丁寧だった」「勤務条件について詳細を教えてくれた」「採用担当者が話しやすい雰囲気だった」などが続き、いずれも3割程度だった。
タイパ(タイムパフォーマンス=時間対効果)が重視される時代になった。マイナビによると、SNSでのバイト探しは応募の手軽さや働き始めるまでの期間が短いなど、効率性の観点ではメリットがあると考えられるという。
1割が「怪しい勧誘受けた」
ただ、SNS上では膨大な情報が飛び交う。高時給をうたいながらも仕事内容の詳細や電話番号などを明かさず、ダイレクトメールでのやりとりを求めるなどの例も散見される。
調査では、アルバイトをしている高校生の41・3%が「SNSで怪しい求人を見かけたことがある」と答えた。「SNSで怪しい求人の勧誘を受けたことがある」は10・4%、「SNSで直接アルバイトの検討や応募をして、トラブルにあった経験がある」は8・6%だった。
SNSで直接アルバイトの交渉をすると第三者のチェックが行き届かず、違法な労働に巻き込まれる危険性がある。これについて認識を尋ねる設問では、知っている人と知らない人がそれぞれ5割と二分する結果となった。
マイナビは「闇バイトが社会的に問題になっている中で高校生にも危険が迫っている様子がみられる調査結果となった」と指摘。応募の手軽さや高時給に惑わされないよう注意を呼びかける一方、「社会経験が少ない高校生がトラブルに巻き込まれないように、身近な大人や学校側から積極的にコミュニケーションを取っていくことも重要」としている。【千脇康平】
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