関西電力・高浜原発(福井県高浜町)から30キロのUPZ(緊急防護措置区域)内にある京都府内7市町と府で構成する地域協議会の幹事会が13日、綾部市内で開かれた。関電と原子力規制庁が安全対策の取り組み状況などを説明。市町側は、能登半島地震を踏まえ、自然災害と原子力災害の複合的発生の可能性があるとして、住民の避難ルート確立などを関電と国に要望した。
7市町は舞鶴、綾部、福知山、宮津、南丹の5市と京丹波、伊根の2町。幹事長の南本尚司・府危機管理監と幹事である各市町の副市長・副町長が出席した。
能登半島地震で孤立集落が多数生じたことについて市町からは「地形が似通っており危機感がある」「原子力災害時の孤立集落に対する具体的施策がない」「能登では建物や道路の損壊が多発し、原子力災害時の屋内退避や避難の難しさが浮き彫りになった」などの懸念が示された。
そのうえで「道路の整備・強じん化や放射線防護施設の整備を」「避難路、迂回(うかい)路整備を原子力災害対策として検討してほしい」「UPZ内への支援についても原発立地自治体に準ずる形で考えてほしい」などと求めた。
関電は、高浜原発3、4号機の運転期間60年への延長認可や蒸気発生器取り換え計画▽大飯原発3、4号機の長期施設管理計画▽使用済み燃料を中間貯蔵施設に搬出する前に保管する乾式貯蔵施設を高浜、大飯、美浜各原発に設置する計画▽能登半島地震を受けた原発の安全性向上の取り組み――などを説明。
原子力規制庁は、原子力災害時の屋内退避の解除、避難への切り替えの判断基準が原子力災害対策指針に示されていないとして、屋内退避の効果的な運用に関する検討チームが設置されたことなどを報告した。【庭田学】
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