今回、訴えを起こしたのは、「ヤマト運輸」の兵庫県内の営業所内に勤めている勤続27年、現在55歳の男性です。

ドライバー歴が26年で、2023年から倉庫勤務が1年間ということです。

この男性によりますと、2023年7月、倉庫内の気温計の針が40度で振り切れていて、熱中症指数は運動の原則中止を求める「危険」に達していたということなんです。

そして倉庫には、荷物の仕分け場所に大型の扇風機、スポットクーラー、ウォーターサーバーなどが設置されていて熱中症対策が行われているものの、「十分ではない」というふうに男性は主張しているということです。

一方で、ヤマト運輸側はどう話しているかというと「個別事案への回答は控えます」といった回答でした。

──男性はひどい環境で働いていることを主張しているが、具体的にどうやって改善していくことを求めている?

男性は、まず倉庫内の気温上昇につながるので、倉庫内では配達車のエンジンを切ることを徹底してほしいと訴えています。

そして、気温や暑さ指数の把握・記録をしてほしいということも訴えています。

さらに、倉庫内で働く人全員に空調ウエアを提供してほしい、首に巻く扇風機を提供してほしい、そして健康状態の確認をしてほしいといったことを求めています。

ただ、男性によりますと、この配達車のエンジンを切るということに関しては、クール便がある以上難しいというふうに、今回の団体交渉でヤマト運輸側に説明されたということです。

──両者の言い分に食い違いがあるようですけども、仮に40度超えの倉庫内での労働だった場合、法律的にはどうなんでしょうか。

その点、労働問題に詳しい菅俊治弁護士に伺いました。

菅弁護士によると、「40度超えの倉庫内という悪い環境での労働については、法律的には40度近い高温のもとで作業を強いられ、従業員の健康に支障が出る状況であれば、労働基準監督署の指導対象になる可能性がある」ということでした。

そして、「暑さを理由にストライキは、日本では珍しいけれども海外では珍しくない」といった回答でした。

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