各地に甚大な被害をもたらしている台風10号クラスの台風は、地球温暖化の影響で発生確率が26%増えているとの分析結果を、英インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究チームが30日発表した。温暖化によって強度も増していると考えられるという。
チームは、気候変動が個々の気象現象にどれほど影響したのかを定量的に評価する「イベント・アトリビューション」という手法で分析した。
その結果、人間活動が原因の気候変動が起こっていなかったと仮定した場合、九州地方に台風10号と同程度の影響をもたらす台風の発生頻度は10年間平均で4・5回だったが、温暖化が進む現在の気候では5・7回で、発生確率が26%増加していた。また、九州付近を通過する台風は、温暖化の影響で最大風速が7・5%増している可能性があるという。
チームのラルフ・トゥーミ教授は「温暖化の根本原因の化石燃料を廃止しなければ、台風は日本にさらに大きな被害をもたらすだろう」としている。【山口智】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。