2024年9月21日、活発な秋雨前線や台風14号から変わった温帯低気圧などの影響で線状降水帯が発生し、石川県の能登地方は豪雨災害に見舞われました。

住民:
何もかも流されちゃう。信じられない。おばあちゃんのお骨も取り出せなった

元日の地震からの復興を目指していた矢先の豪雨で計23もの河川が氾濫しました。

石川県輪島市では25日も氾濫した塚田川周辺で捜索が行われ、車の近くから女性1人が見つかりました。すでに死亡していたということです。

この豪雨によって9人が死亡し、中学3年の女子生徒を含む安否・行方不明者が8人となっています。

石川県能登地方の豪雨災害について、静岡大学の牛山素行教授は静岡県内でも同じ被害が起こる可能性が十分にあると警鐘を鳴らしています。

静岡大学 防災総合センター・牛山素行 教授:
仮に(2024年1月の)地震がなかったとしても、雨だけでも状況は変わらなかったのでは。それだけ非常に激しい降り方だった

石川県輪島市では1時間に121ミリの猛烈な雨となり、能登地方で計23の河川が氾濫しました。

輪島市の塚田川もその1つで、川沿いの住宅4棟が流されました。

牛山教授は短時間・長時間いずれの雨量も多かったことが土砂災害や洪水の要因となったと話し、県内でも同様の災害が起こりうると注意を呼びかけています。

静岡大学・牛山素行 教授:
あふれない安全な川は日本には存在しない。今回のようにすごい雨が降ってしまうと川があふれて浸水・冠水という程度ではなく、川の両側にあるものを流してしまったり、川の両側自体をガリガリと削って家が建っている地盤ごと流してしまう

県内では2022年8月、松崎町雲見地区で川が氾濫し、民宿など30棟に浸水被害が出たほか、磐田市の敷地川は2年連続で堤防が決壊しました。

静岡大学・牛山素行 教授:
(台風10号で)久能のイチゴ畑が崩壊した所があった。ずっとだらだら降った後の短時間に強く降った時間帯、そのタイミングで崩れている。ダーッと強く降る時間帯がもう少しあったとすれば話はだいぶ変わってくる

牛山教授は崖の近くや渓流沿いでは土砂崩れや氾濫が起こりうることを前提に、雨の降り方など今の情報を確認して行動することが重要だと話しています。

牛山素行 教授:
ハザードマップで、どこでどんな危険性があるのか日頃から認識しておいて、リアルタイムで変化する危険性の情報はキキクル(気象庁の危険度分布)を見て、その上でどうするか1人1人が判断することが大変重要

「あふれない川はない」という牛山教授の言葉がありましたが、危機感を持って備えることが求められます。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。