茨城県東海村

 原子炉の燃料となるウランをバケツを使って溶かすなどして、666人の被ばく者を出し、うち作業員2人が死亡した核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」臨界事故から25年を迎えた30日朝、事故現場のあった茨城県東海村の山田修村長が、幹部職員ら約120人を前に訓話をした。山田村長は、現在の職員の約8割が事故を経験していないことに触れた上で、この事故の教訓を自覚し続けることを職員に促した。訓話の主な内容は次の通り。

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 あらためて役場職員の皆さんには「この日を絶対忘れてはならない」「原子力安全を希求し続ける」ということをしっかりと肝に銘じてもらいたい。

 当時は混乱を極め、事態の把握も正確にできず、国や県からの指示もない中で、村は独自に「住民避難」を決断するなど、先頭にたって住民を守るための活動を展開しました。

 ここにいる部課長の皆さんは何らかの形で経験していると思いますが、本日同席してもらった若い職員の方々も含め、多くの職員は経験しておらず、今では職員全体の約23%しか経験者は残っていません。

 原子力防災への対応は村にとって重要な責務の一つでありますので、全職員がしっかりとその責務を果たしていくという覚悟が必要です。

 この事故を教訓として、原子力災害に対する法整備や安全対策は強化されましたが、事業者をはじめとした関係者には、「安全が何よりも優先する」という原点を忘れてはならないということを繰り返し求めてきました。これはスローガンではありません。安全文化の徹底には一人ひとりの自覚が大切です。

 昨年は、村内の原子力事業所において火災事案が相次いで発生しました。東海第2発電所は事業者による安全性向上対策工事が進められていますが、工事の不具合等により完了時期の延長が示されました。事業者には、国の審査を踏まえたうえでしっかりと取り組むよう求めています。

 村の広域避難計画については昨年12月「原子力災害に備えた住民避難計画」として、「広域避難計画」と「屋内退避・避難誘導計画」をセットで策定・公表したところです。発災事業所の違いにより住民避難の初動が大きく異なることが特徴です。引き続き住民への周知を図ってまいります。皆さんには、3万8000人の生命・財産を守るという覚悟を持って、職務にあたっていただきたい。

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