特集は「スズメバチ」です。スズメバチは夏から秋にかけて急激に巣が大きくなりより攻撃的になります。それに伴い、この時期駆除の依頼も急増します。ハチ駆除のスペシャリストに密着しました。

カメラに勢いよく飛び掛かってくるキイロスズメバチ。土の中の巣から出てきて威嚇するのはオオスズメバチ。穴からは大きな巣が出てきました。

全国ではハチに刺されて毎年20人前後が命を落としています。巣を作られたら、専門業者に駆除を依頼するしかありません。

仙南地域を中心に活動する「スズメバチハンター」の佐藤進さんと、ハンター見習い、中学3年生の息子・月さんです。この日の依頼者にハチの巣がある場所に案内してもらうと…。

駆除の依頼者
「あそこの穴のほう」

土の中にオオスズメバチが巣を作っていました。

駆除の依頼者
「草刈りしているときに、ブーンって出てきて、ちゃんと見たらハチの巣が大きくなっていたので」

スズメバチ類の中でも毒性・攻撃性が強く「世界最強」ともいわれるオオスズメバチ。カメラマンもハチの針を通さない防護服を着て撮影に臨みます。穴の入り口にくん煙式の殺虫剤をたいて…送風機で穴の奥まで殺虫剤を送りこみます。

スズメバチハンター 佐藤進さん
「ここにハチの巣があります」

穴を掘り進めるとハチの巣が姿を現しました。20分ほどで駆除が完了。取り出されたのは30センチほどにまで大きくなったオオスズメバチの巣です。

スズメバチハンター 佐藤進さん
「4層あったので、働きバチは300匹近くいたと思います。幼虫と卵を合わせて同数300匹くらいでこれから5~600匹の巣・コロニーを作る。幼虫からして大きいです。普通の幼虫の倍くらいサイズありますので、本当に無事駆除できてよかった」

これは、今年6月に撮影したアシナガバチの巣。まだゴルフボールほどの大きさで巣の中にいたのは女王バチ1匹だけでした。種類は違いますが、比べると働きバチが増え、巣がどんどん大きくなることがよく分かります。

佐藤さんは「今年の夏はハチが巣作りをしやすい気候だったことなどから巣が例年より大きい傾向があり、駆除の依頼も去年の倍近い」と話します。

スズメバチハンター 佐藤進さん
「今年は特段、駆除依頼が多いですね。あとハチの巣が大きいです。去年の今の時期に比べて」

続いて向かったのは角田市の住宅です。

スズメバチハンター 佐藤進さん
「見えた見えた!あれです。すごいね」

2階の軒先に巣くうキイロスズメバチ。屋根にはしごを立て掛け、作業にとりかかります。巣の周りでは働きバチが勢いよく飛び回っています。佐藤さんが取り出したのは、意外にもひげそりに使う市販のシェービングフォーム。

スズメバチハンター 佐藤進さん
「巣の奥まで泡が入っていけるので、ハチが出てこれなくなります」

巣の入り口からシェービングフォームを流し込んでハチの動きを封じた後、すかさず殺虫剤を噴射!巣を根元からそぎ落として駆除完了です。

スズメバチハンター 佐藤進さん
「キイロスズメバチは警戒もなく、すぐ攻撃してくるのでとても危険です。今回のミッションレベルは5ですね!」

巣は50センチほどまで大きくなっていました。ハチに刺される危険に加え、全身を覆う防護服を着て高い所で作業を行うなど、ハチの駆除にはさまざまな危険が伴います。佐藤さんは駆除する際は自分でやろうとせず専門の業者に任せてほしいと話します。

スズメバチハンター 佐藤進さん
「今回みたいに2階の軒下は個人でやろうと思っても本当に難しいので、専門家に頼んでハチに刺されないように、まずは自分と家族の安全を第一に考えてください」

一方で、悪質な業者が弱みにつけこむケースもあり注意が必要です。国民生活センターによりますと、ハチの駆除サービスに関する相談は年々増えていて、昨年度は全国で752件に上ったということです。

宮城県消費生活センター 渡邉一夫主任消費生活相談員
「『ハチの巣駆除』とかそういうワードで、スマホで検索されることが多いと思います。電話をすると『料金は行ってみなければ分からない』と言われて、業者さんが訪れて、そこから少し高額な料金を提案されて」

不安や「早く駆除してほしい」という焦る気持ちからインターネットで検索した業者に連絡。事前に作業内容や料金を確認しないまま契約してしまい、後から「高額請求」などのトラブルに発展してしまうことがあるといいます。

宮城県消費生活センター 渡邉一夫主任消費生活相談員
「必ず見積もり、料金の確認をきちっとされてから、納得して発注・契約していただきたい」

その上で住んでいる地域の役所・役場や害獣駆除の専門団体に問い合わせて業者を紹介してもらうことを勧めています。この時期、ますます活発になるスズメバチ。巣を作られてしまった場合どう対応するか、知っておくことが必要です。

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