【ワシントン=共同】日本を含む長寿の国でこの30年、平均寿命の延びは鈍化しており、今世紀中に100歳まで生きる人の割合が女性で15%、男性で5%を超えることはないとの予測を、米イリノイ大などのチームが8日までに米科学誌ネイチャーエイジングに発表した。

「人生100年」を前提とした老後資金の見通しや保険の価格設定は多くの場合、過大評価になると指摘。今後は老化を遅らせる画期的な技術が登場しない限り、急速な寿命延長は望めないとしている。

日本や韓国、スイスなど長寿の9カ国・地域の人口データを解析すると、1990〜2019年の約30年で寿命が平均6.5歳延びたことが分かった。20世紀には衛生状態の改善や医療の進歩で幼児の死亡率が低下、続いて中高年の健康も向上し、10年につき3歳のペースで寿命が延びたが、最近30年はこの水準を下回っている。

世界各国の年齢別・男女別死亡率から最も低い値をかき集めた「理想的な長寿国家」の寿命を算出すると、19年生まれの女性で88.68歳、男性が83.17歳。100歳まで生きる確率は女性が13.9%、男性は4.5%となった。

平均寿命が110歳の社会では、女性は70%が100歳まで生きる。ただ、そのためには今ある死亡の原因のほとんどを克服しなければならないという。

厚生労働省によると、日本人の23年の平均寿命は女性が87.14歳、男性は81.09歳。

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