国立社会保障・人口問題研究所は12日、2050年までの都道府県別世帯数の将来推計を発表した。全世帯に占める1人暮らしの割合は全都道府県で上昇し、50年には東京都の54・1%を最高に半数以上の27都道府県で40%を超える。65歳以上の1人暮らし世帯の割合も増え、高知や徳島など32道府県で20%を超える。若者が都市部に集中し、高齢化や未婚化、少子化で家族を構成する人数が少なくなっていることが要因だ。
推計は5年ごとで、20年の国勢調査を基に実施した。全国の世帯総数は20年の5571万世帯が50年には5・6%減の5261万世帯となり40道府県で20年を下回る。中でも、秋田県の29・1%減を筆頭に、青森、岩手、山形、長崎、高知、徳島など9県で20%超減少する。
一方、1人暮らし世帯は20年の2115万世帯が50年には2330万世帯に増える。増加するのは32都府県で、特に沖縄、埼玉、滋賀、千葉の4県は増加率が20%を超える。
全体に占める1人暮らし世帯の割合の全国平均は44・3%で、東京、大阪、京都、福岡、北海道、神奈川、鹿児島の各都道府県が45%超。
また、1世帯あたりの人数が40年には半数以上の都道府県で2人を下回る。20年時点で2人以下なのは東京だけだが、40年に26都道府県、50年には34都道府県になる。最も少ないのは東京、北海道の1・78人で、多いのは山形の2・15人。
高齢化を背景に、1人暮らしのうち65歳以上の高齢者の世帯は全ての都道府県で増加し、20年の738万世帯が50年には1084万世帯(46・9%増)になる。全体に占める割合は13・2%が20・6%まで上昇。32道府県で20%を超え、高知(27%)、徳島(25・3%)、愛媛(24・9%)などが特に高くなる。家族のいる人も含めた高齢世帯(世帯主が65歳以上の世帯)も増え、全体に占める割合は50年には21県が50%を、東京を除いたすべての道府県が40%を超える。
75歳以上の1人暮らしも全都道府県で増加。沖縄、滋賀、埼玉、茨城各県では20年から50年で2倍以上になる。【神足俊輔】
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