宮城県は24日、同県沿岸の藻場を再生するためにクラウドファンディングを活用したふるさと納税事業を始めると発表した。募集金額は700万円。県のウェブサイトなどで10月1日から3カ月間にわたって寄付を受けつけ、県外在住者は水産物やコメなどを返礼品として受け取れる。
県は石巻市の沿岸を中心に藻場を復活させる実証実験に2021年度から取り組んでいる。民間の団体が藻場を育むブロックを海底に沈め、コンブやアラメの生育に特に力を入れている。ふるさと納税で集めた資金はダイバーの活動支援などに活用する。
地球温暖化の進展で海水温が上昇し、藻場がなくなる「磯焼け」が全国的に拡大。魚などがすみにくくなっているという。漁業が主要産業である宮城県でもウニが大量発生してコンブやアラメなどの藻場を食い荒らし、漁獲量が減る問題が発生している。
宮城県の担当者は「藻場は危機的な状況で、海洋の生態系にも影響する」と話す。県によると、19年度の藻場面積は約1100ヘクタールだった。29年度までに1800ヘクタールまで回復させることをめざしている。
再生した藻場は、CO2の吸収源「ブルーカーボン」となる。山林など陸で吸収する「グリーンカーボン」と比べて吸収効率が高く、CO2も長期間貯留できるとされる。
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