JAXAの宇宙探査機「デスティニープラス」のイメージ=JAXA提供

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9日、探査機「DESTINY+(デスティニープラス)」の打ち上げ時期を2028年度と現状の計画から3年遅らせる方針を示した。小型基幹ロケット「イプシロンS」のエンジンが23年7月に爆発事故を起こした影響で、探査機を打ち上げるロケットを大型の「H3」に変更する。

JAXAは9日に開かれた政府の宇宙政策委員会の小委員会で、科学探査向けの探査機や衛星の計画の進捗を報告した。デスティニープラスのほか、天文観測衛星「ジャスミン」の打ち上げ時期を27〜28年度から31年度に遅らせる方針なども示した。

デスティニープラスはふたご座流星群の小惑星「フェートン」の観測を目指している。天体とすれ違った際にちりを捕捉し、生命の誕生に迫る手掛かりを得ようとしている。これまでの宇宙開発の工程表では、25年度にイプシロンSで打ち上げられる計画だった。

ただ、イプシロンSの開発試験を担う秋田県の能代ロケット実験場(秋田県能代市)でエンジンの爆発事故が起きた。再建と整備に27年度まで掛かる見込みだ。探査機のミッションを実施するため、H3での打ち上げに変更し、これに伴って追加の調整作業が発生する。30年度にフェートンに接近する計画は変更しない。

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