NTTデータは国内外で計3万人の生成AI人材を確保する計画も発表した

NTTデータは24日、具体的な指示を与えなくても業務を実行する「自律型」の生成AI(人工知能)サービスを11月に始めると発表した。まず営業部門向けに提案書の作成などの業務を担うAI機能を提供する。米セールスフォースや富士通などに続く動きで、国内外のIT(情報技術)企業による自律型AIの開発競争が激しくなってきた。

現在主流の「対話型」の生成AIは、利用者の指示に従って文章や画像を生成したり、学習済みのデータに基づいて質問に回答したりする機能が中心だった。NTTデータが開発した自律型はおおまかな依頼内容から必要になる業務を推測し、ほかのAIに作業を指示することもできる。

例えば営業部門のビジネスパーソンが訪問予定の顧客企業を伝えると、生成AIが過去の商談の議事録や公開されている財務データなどを検索して顧客の経営課題などを抽出し、解決に役立つ商材やサービスを調べて提案書を自動作成するという。

NTTデータは自律型AIの導入に向けたコンサルティングやシステム構築支援、運用代行などのサービスもあわせて提供する。営業部門に加えて、マーケティングや財務、法務などの各部門のニーズにあわせたAIも段階的に開発する。2027年までに自律型を含む生成AI関連事業で累計1000億円の売り上げを目指す。

自律型AIは「AIエージェント(代理人)」とも呼ばれ、富士通は会議中の会話から必要な業務データを推測し、議論に役立ちそうな資料などを作成できるサービスを始めた。セールスフォースや米マイクロソフトも顧客対応などに使えるサービスを発表している。

NTTデータは24日、社内で生成AI人材を育成するためのプログラムを開発して国内外約20万人の全社員に提供する計画も明らかにした。社員はまず生成AIの基礎知識を学んだうえで、コンサルタントやエンジニアなど職種別の研修を受講する。

高度な知識を活用できる人材を25年3月末までに約1万5000人確保し、27年3月末には計3万人に増やす。発表に先立つ取材のなかで、NTTデータの鈴木正範副社長は「生成AIも業務目的に応じて各種サービスを柔軟に使い分ける時代になる」と述べた。

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