だいち4号は夜間や悪天候でも地上をみられるレーダーを採用する

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は地球観測衛星「だいち4号」を使って、ほかの衛星に載せた中継用システムとの光通信に成功した。速度は世界最速クラスになるという。実用化すれば地上局と通信できないエリアでも、中継衛星を介して観測データを迅速に送れる。

国の情報収集衛星に載せたJAXAの光衛星間通信システム「LUCAS(ルーカス)」とだいち4号の通信試験に成功した。距離は約4万キロメートル離れていた。通信速度は1.8ギガビット毎秒と、宇宙空間上の衛星間通信では世界最速だった。ただ、欧州でも違う波長の光で同じ速度を実現している。

一般的に地球観測衛星が地上と直接通信できるのは1日あたり約1時間だが、中継衛星を介せば約9時間に延びる。今後は通信品質を確かめる実験を続け、実用化を目指す。

だいち4号はJAXAが開発し、三菱電機が設計や製造を担った。7月に日本の大型ロケット「H3」で宇宙空間に打ち上げられた。夜間や悪天候でも地上をみられるレーダーを採用する。災害発生時の被災情報のほか、世界の森林変化の把握にもつなげる。

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