シトロエンCX生誕50周年記念CCJ全国ミーティングが5月19日、富士見パノラマリゾート(長野県諏訪郡富士見町)において開催された。主催は日本シトロエンクラブ(CCJ)。

1974年、それまでのシトロエンのフラッグシップ、『DS』の後継車と位置付けられる『CX』がデビューした。DSは1955年のパリサロンで登場したので、約20年を経て次世代に受け継がれたのである。DSの時ほどの衝撃はなかったものの、そのエクステリアデザインは“CX”という名前から伺えるように、空気抵抗係数Cx=0.3という当時の平均よりも30%以上優れたものだったという。

そのデザインを主に行ったのはロベール・オプロンだ。惜しくも2021年にCovid-19により亡くなってしまったが、シトロエンではCX以外に『SM』や『GS』も手掛け、ルノーに移籍すると『25』や『フエゴ』などをデザインした。

また、DSで採用されたハイドロニューマチックは当然CXでも採用され、素晴らしい乗り心地が提供された。

さて、今回のイベントの主催は日本シトロエンクラブだ。1965年に創立され、いわゆるオーナーズクラブではなく、シトロエンとそこにまつわる文化やつながりを愛し楽しむものと位置付けられ運営されている。積極的にイベントを開催しているほか、充実した内容の会報を発行するなど、積極的に活動しているクラブだ。

シトロエン CXシトロエンCX生誕50周年

曇りとなったイベント当日、会場には続々とシトロエンたちが集合。その日は別会場でイタリア車のイベントも開催されていたのだが、そちらは定時前にはほぼ参加車は集まっていたのに対し、こちらは若干遅れ気味。そののんびりとした雰囲気はまるでシトロエンの乗り心地を象徴するような居心地のよさが漂っていた。

参加車両で最も台数が多かったのはやはりCXで、最初期のフルオリジナルCXをはじめ、ホイールベースを25cm伸ばしたプレステージュなど20台以上が集まり、その眺めはまさに壮観の一言。よく見るとそれぞれが微妙に違っておりシリーズ1、シリーズ1.5、シリーズ2という違いがある以上に、仕向け地やグレードなどでの違いもあるので、それぞれの参加者同士が自分のCXと比較しながら「ここは違いますね」などとおしゃべりに興じていた。

特に前述した1975年式のシトロエンCXは、当時のイメージカラーを纏っているだけでなく、インテリアも当時のままという非常に貴重な個体で、オプションのキャンバストップも備えた魅力的な1台。特徴的なボビン式メーターやインパネ周りもきれいに保たれており、参加者の注目を集めていた。

このシトロエンCXは1975年式の初期モデルこのシトロエンCXは1975年式の初期モデル

また、プレステージュも3台参加。そのうちの1台はフランスのカロッセ、ユーリエが手掛けたプレステージュとしては初期のクルマだ。他のプレステージュと比較しルーフが低いほか、実際にレザートップをはがすとルーフを延長した溶接の跡が見られたという。当初、プレステージュはユーリエが手掛けていたが、のちにシトロエンファクトリーで作られるようになると、若干ルーフが高められるとともに、ルーフもプレステージュ専用のものが用意されるようになったため、ルーフの溶接の後はなくなったそうだ。

シトロエン CXプレステージュの初期シトロエン CXプレステージュの後期シトロエンCXプレステージュは25cmほどホイールベースが伸ばされている

今回のイベントはCX50周年がメインだったが、同時にCCJ全国ミーティングも行われたので、CX以外にも『DS』や『BX』、『AX』『2CV』などシトロエンのバラエティに富んだクルマ達も集い、参加者たちは興味のあるクルマのところへ赴き、オーナーと談笑していた。そこにあるのは、クルマの大小や年式の違いなどのヒエラルキーではなく、心からシトロエンというブランドを愛している姿だった。

シトロエンCX生誕50周年

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