2023年秋の改良でリアウイングが久々に復活したWRX S4。やはりこのウイングがあるほうがリアスタイルはキリリと引き締まる印象だが、実はこのウイングはWRX で3代続けて採用されているってホント?

文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、スバル

■2010年7月登場のGVB型WRX STIから続けての流用

2023年10月の一部改良で復活したWRX S4の大型リアウイング

 先代モデルとなるVAB&VAG型のWRX STIとS4で、STIタイプSに標準採用されていたリアウイングはS4にはオプション設定されていた。それが現行型になってからはなくなっていたのだが、2023年10月の一部改良でオプション設定ながら復活となった。ただし、装着できるのはSTI Sport R EXのみ。

2010年7月に追加された3代目GVB型WRX STIで初採用となった大型リアウイング

 そもそも現在のリアウイングが最初に装着されたのは、3代目インプレッサWRX(GRB型)の時代。5ドアHBのみだったWRX STIに4ドアモデルのアネシスをベースにしたGVB型WRX STIが2010年7月にマイチェンと同時に追加されたのだが、この時に現在のリアウイングが装着された。

 ちなみにそれまでは車名表記が「インプレッサWRX STI」だったのだが、この2010年からは「インプレッサ」が外れて「WRX STI」となり、インプレッサシリーズから独立した車種となっている。

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■歴代インプレッサWRXのリアウイングは?

初代インプレッサWRX STiバージョン(I)は歴代で最も高さのあるリアウイングを採用していた

 初代GC8型インプレッサWRXの時代は標準仕様のWRXとWRX STiバージョンで差別化されていた。標準仕様は小ぶりなリアスポイラーで、STiバージョンはIのみ超巨大なタイプで、II~IVまではややサイズダウンし、V~VIはWRカータイプに変更。

1999年に登場した初代GC8型インプレッサWRX STiバージョンVI

 FMCを受けて2代目GDB型に変わり、標準仕様のWRX NBとWRX STIにリアスポイラーの形状は小ぶりな同一タイプに。これが2001年9月に登場した当時のWRカーをイメージした「STiプロドライブスタイル」に大型リアウイングを装着。以降、中期型の涙目、後期型の鷹目までこの大型リアウイングがWRX STiに装着された。

2001年に登場した2代目インプレッサWRX STiプロドライブスタイル

 ちなみに標準仕様のWRXは最後まで初期型と同じ小型のタイプのリアスポイラーを採用していた。

■気になるのは空力の効果だが……?

SUVのようなテイストを持つ現行型WRX S4もリアウイングを装着するとスポーティな印象となる

 さて、これまでGVB型、VAB&VAG型、そして現行のVB型と3代続けて同じリアウイングを装着していることになるのWRXだが、気になってくるのは空力上の整流効果だ。そのあたりについて以前、スバル開発陣に質問したことがある。

 その回答は「確かに2010年に登場した4ドアのWRX STIから現在のWRX S4まで同じリアウイングを流用しているのですが、実は最初に採用した時から完成度はかなり高く、市販車としての整流効果は現在のレベルで考えても問題ありません。それもあってわざわざ変更することはしていないのです」とのこと。

先代かぎりで販売終了したVAB型WRX STIも同じリアウイングを採用していた

 確かにコスト面まで考えると、従来と同じタイプで性能面でも問題ないのなら継続採用は納得できるが、読者の皆さんはどう考えるだろうか?

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