中国ブランドのCF MOTOが新型4気筒モデル「500SR VOOM」のティザー動画を公開した。本作は、1980年代の油冷GSX-R750など耐久レーサー風の2眼ヘッドライトが特徴のレトロモダンスポーツ。その詳細や国内上陸の可能性などを探ってみた。
文/沼尾宏明 Webikeプラスライト中央がラムエアダクト!? 斬新なレトロモダンスポーツだ
中国では400cc前後のクラスが活況を呈しており、カワサキのニンジャ400、並列4気筒のZX-4Rも発売され、人気を博している。さらにホンダが2気筒の新型CB400Fを導入したほか、現地メーカーも続々とスポーツモデルを発売しているのが現状だ。
そんな中、中国の新興メーカーであるCF MOTOが、新型4気筒スポーツ「500SR VOOM」のティザー動画を5月15日に公開した。
まず注目はデザイン。昨年公開されたプロトタイプは正統派スーパースポーツのフォルムだったが、今回公開された仕様はレトロモダンスポーツの趣がある。
1980年代後半に鈴鹿8耐などのレースで活躍したスズキの油冷GSX-R750などを思わせる丸2眼ヘッドライトを現代風に昇華し、ライト中央にラムエアインテークまで装備。さらにタンデムシートのサイドにまで伸びる左右2本出しのアップマフラーが特徴だ。
エンジンの詳細は未発表だが、鍛造アルミピストン、ストレッチボルトコンロッド、低慣性クランクシャフトなどを開発し、最高速は230km/h以上とされている。
最高出力は70PS超と噂され、これにラムエア加給もプラスされる。ZX-4Rの77PS(ラムエア加圧時80PS)超えに注目したい。
倒立フォークにラジアルキャリパー、ステダンなど車体も充実
メインフレームはスチールチューブ製のトレリス構造で、ZX-4Rを思わせるデザイン。ティザーからは倒立フロントフォークやラジアルマウントキャリパーが確認できる。
メーターはTFTカラー液晶で、灯火類はフルLEDと最新スタイル。映像を見るとクイックシフターも搭載されているように見える。ZX-4Rが採用するパワーモードやトラクションコントロールなどの電脳装備の有無は不明だが、装備される可能性もあるだろう。
675cc並列3気筒の正統派SS=675SRもスタンバイ
さらにCF MOTOは並列3気筒675ccエンジンを搭載したスーパースポーツも2023年9月に発表済み。現在、フルカウルの3気筒モデルはMVアグスタのF3シリーズのみで、貴重な存在なのは間違いない。
ライバルはカワサキZX-6RやホンダCBR600RRを筆頭に、登場が噂されているヤマハの3気筒888ccのYZF-R9も候補になるだろう。価格は現地で4万元(約80万円)と予想されている。
500SRが正統派SSやレプリカのルックスでないのは、675SRと差別化を図るためなのか、はたまた後にレプリカ版が控えているのか……?
今後ホンダの4気筒が追撃する格好に? 日本上陸の可能性もアリ
CF MOTOは従業員4000名を抱える大手メーカー。スポーツバイクが得意で、125ccから1250ccまでラインナップし、100か国以上に輸出も手がける。Moto3に参戦しているほか、ヤマハと中国における2輪製造合弁会社のパートナーも務めており、品質にも期待したいところだ。
500SRのライバルは、まさに同じ直4のZX-4R。さらに、ホンダが中国で500cc4気筒モデルを開発中との噂があり、その400cc版が日本で発売されるかもしれない。
発売は500SRの方が先になり、ホンダの500cc直4はこれを追撃することになるだろう。
500SRの詳細は2024年7月頃明らかになると予想される。昨年、CF MOTOが中国で自社イベントの「CFMOTO DAY」を開催しており、500SRのプロトタイプを発表。今年も同イベントが開催され、そこで正式発表されると思われる。
500SRの日本導入に関しても可能性はありそう。現在、CF MOTO製の124cc単気筒の「パピオ」シリーズを千葉県茂原市のKURE35茂原ベースが輸入販売している。また、FBモンディアルなどを輸入しているアイビーエスもパピオの並行輸入を開始した。500SRが日本に入荷するかKURE35茂原ベースに訊ねたところ「未定」とのことだったが、国内上陸の可能性はあるだろう。
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/377119/
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