ステランティスは2023年1月に4月にアルファロメオの最新モデルを公開するとアナウンスしていたが、その予告どおりアルファロメオの最新モデルのミラノが2023年4月11日0時(日本時間)にワールドプレミアされた。アルファロメオはとミラノでコンパクトSUVマーケットに新規参入することになるが、そのミラノとはどんなクルマなのか? 第一報をお届けしたい。

文:ベストカーWeb編集部/写真:STELLANTIS

アルファロメオにとってミラノは特別

 アルファロメオが発表した新型モデルはコンパクトSUVのミラノ。世界中のアルフィスタ(アルファロメオの熱狂的なファン)がザワついているのは想像に難くない。

ミラノはアルファロメオ初のコンパクトSUV

 アルファロメオは1910年にイタリアのロンバルディア州ミラノ市にて創業したため、ミラノはアルファロメオにとって聖地だ。アルファロメオのエンブレムが、ミラノ市の赤十字にかつてロンバルディア州を支配したヴィスコンティ家の紋章(サラセン人を飲み込む大蛇)を組み合わせたものであることも有名だ。ちなみにアルファロメオがナポリに進出する以前のモデルではエンブレムに『MILANO』の文字が刻印されていた。

 だからその特別な名前である『MILANO』を車名としていることからも、この新型車が特別な存在であることは一目瞭然。アルファロメオの本命モデルとも言える。

ミラノ市の赤十字とヴィスコンティ家の紋章を組み合わせたエンブレム。かつては下部分にMILANOの刻印があったが今は消滅

サイズはほぼヤリスクロスと同じ

 ミラノはアルファロメオ初のSUVのステルビオ(2017年)、トナーレ(2022年)に続く第3弾SUVで、プラットフォームを同じステランティスのプジョーe-2008と共用するBセグメントSUVとなる。

 ボディサイズは全長4173mm×全幅1781×全高1505~1535mmで、全長4305×全幅1770×全高1550mmのプジョーe-2008に対しショート&ローフォルムに仕上げられているのが特徴だ。

ショート&ローのデザインがスポーティさを演出。小さなボディに20インチタイヤというのもカッコよく見えるゆえん

 なおミラノのサイズは、日本車で言えば全長4180×全幅1765×全高1580mmのトヨタヤリスクロスとほぼ同等となっている。小さいクルマが好きで、トナーレでは大きいというアルフィスタにとっては朗報だ。

最新のイタリアンデザイン

 ミラノのデザインを手掛けたのは、アルファロメオのデザイン本部であるチェントロスティーレ。コンセプトは、伝統と革新の融合というもので、誰が見てもアルファロメオとわかる盾型グリルは健在ながら、エンブレムのカッティングが入るなど斬新。

超絶特徴的なフロントマスク。縦型グリルにエンブレムが切り抜かれているのも斬新な処理。でも誰が見てもアルファとわかる

 さらに不気味なまでに精悍なフロントマスクを印象付ける横に3つ並んだデイタイムライトをはじめとするフルLEDヘッドライトなどの新しさも際立っている。

 一方リアはスパッと切り落としたデザインを採用し、かつての名車TZを彷彿とさせオールドファンの郷愁も誘う。フロント同様に3つ横に並んだLEDリアコンビは新しさの象徴だ。

 プロポーションで言えば、前後オーバーハングを切り詰め、高いウェストラインはリアフェンダー上部で大きく盛り上がりを見せ躍動感を演出。車体中央からリアにかけてなだらかに下がるルーフラインとの相乗効果でスポーティに見せることに成功している。

リアビューはスパッと切り立ったデザインが特徴。同時にリアフェンダーから続く滑らかな曲面で構成されている

 インテリアもアルファロメオワールド全開で、質感の高さと適度なタイト感、スポーティ感が同居した空間に仕上げられている。特筆は、アルファロメオにとって特別な四葉のクローバー(クワドリフォリオ)をモチーフとしたエアコンの吹き出し口デザインで、遊び心も忘れちゃいない。

インテリアは質感とスポーティ感を両立している

パワーユニットは2種類

 前述のとおり、ミラノはプジョーe-2008と同じPSAグループのeCMPと呼ばれるプラットフォームを共用。このeCMPはCMPをベースにバッテリーを床下に置くことを前提に設計されたもの。

 そう、ミラノはアルファロメオ初のBEVとなる。モーターは156psと240psの2タイプが設定されるという。バッテリー容量は54kWhで、一充電の航続距離は410km(156ps搭載モデル)と公表されている。

 ミラノはBEVのほかハイブリッドも用意されている。136psの1.2L、直3ターボエンジン+21kWのモーター、さらに48Vのリチウムイオンバッテリーを組み合わせ、トランスミッションは6速デュアルクラッチを採用している。駆動方式はFFと4WD(Q4)をラインナップ。

ヘッドライト同様に3つ横並びがキーワード。アルファだけでなく他社モデルでも見ないリアコンビの新しい造形

実用性も高い!!

 インテリアは人間工学に基づき、デザインだけでなく使いやすさを追求し、BEVとしてはクラス最大級となる400Lのトランク容量を備えているなど、コンパクトSUVとしての使い勝手はかなりいい。

フロントのサベルト製シートはサポート性に優れている。SUVながらスポーツ性を重視したコンセプトとなっている

 そのほかでは、カーナビと連動させたコネクト技術、360度駐車カメラ、180度リアカメラの採用のほか、自動運転レベル2を実現しているのも特筆点だ。

BセグメントSUVとしては最大級となる400Lの容量のラゲッジスペースを持つのもミラノの魅力となるはず

 現時点では日本での販売については未定となっているが、これだけ魅力的かつ日本向きのクルマを日本で発売しない理由がない。日本での導入は2025年と予想している。

 アルファ初のコンパクトSUVのミラノは価格次第では日本でも大化けするかも!?

これが四葉のクローバー(クワドリフォリオ)をモチーフとしたエアコンの吹き出し口。遊び心も忘れてはいない

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