今購入しておかないと、もう買うことができなくなるクルマ。「価格高騰予備軍」とも言えるクルマは意外と存在する。もし今回取り上げるクルマで欲しいクルマがある場合は…。早めに購入へ乗り出すことを強くオススメする。

文:小泉はつ

■油断すると買えなくなる隠れ人気モデルたち

もはやヴィンテージカーとして手の届かない領域に入り始めたランチア デルタ インテグラーレ。現在は1000万円越えは当たり前になりつつある

 中古車には「いずれ値段が上がる」と予想されるクルマがある。そしてそれらのクルマに共通しているのが生産台数が少ないクルマということ。近年であれば例えばランチア デルタ インテグラーレ。

 ラリー参戦を前提に作られたスクエアなデザイン、クルマ好きを惹きつけるヒストリー、そして生産台数の少なさから、多くのクルマ好きが「いずれ買えなくなる」と予想していた。

 10年ほど前は300〜500万円で買えたデルタ インテグラーレも、現在は軽々1000万円越え。まだ値上がりが続いている。他にもメルセデス・ベンツ Gクラスのショートボディ、ポルシェ 911(996)のGT3、日本車では80-90年代のスポーツカー全般は値上がりが予想され、実際に価格が高騰した。

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■代えの利かない個性を持っているクルマは強い

FR駆動な上、911よりも下の車格だったため、発売当時は評価が低かった924。しかし、台数が少ないこともあって現在はレアモデルになりつつある

 では、今後「この値段のままはないだろう」と予想されるクルマは何か。まずは924、928、968といったFRポルシェ勢。ここ5年で徐々に値上がりが始まっている。ポルシェ人気に引っ張られているのか、それともFRポルシェの評価が高まっているのかは定かではないが、そもそも台数が少ないので大ブレークする可能性は高い。

 次に二度と作られないエンジンを積んだレアモデルだ。W12エンジンを積んだフォルクスワーゲンのトゥアレグは現在300万円前後。V10エンジンを積んだBMW M5(E60)は300万〜500万円ほどで手に入る。

 あとは2025年でコンプリートカーの販売が終了するアルピナも熱い。ここ10年ほどのモデルはそこそこ台数が多いが、1990-2000年あたりは台数が少なく、人気も高くなかったので一気に上がる可能性がある。

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■楽しめて価値もあがるMT車

 GTIより上のスポーツグレードとしてゴルフⅣの時代に用意されたR32。激レアだがMTモデルも存在し、そちらは滅多に中古車相場には流通しない

 あとは台数が少ないMTモデルだろう。実際、フェラーリの360や、 911として最後のMTになる991型、V8フェラーリ最後のMTとなる458イタリアなどは一気に値段を上げた。

 そう考えるとベース車両が安値でもMT車、さらに走行距離が少ないモデルなら価値が上がる可能性は高い。

 ラングラーのショートボディ、アルファロメオの155、フォルクスワーゲンゴルフ(Ⅳ)のR32、アウディRS4やRS6などなど。ギリギリMTで乗れるクルマもぜひ今後注目してみてほしい。

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